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知人 ページ15





 突如銀髪の男性に自分の名前を呼ばれ驚きを隠せなかった。何故この人は私の名前を知ってるのか、身に覚えがない事実に困惑する。

「A、コイツと知り合いなのか?」
「いや…」

 土方さんが眉をひそめて私にそう聞いた。私はすぐに首を横に振り否定するがどうにも分からない。死んだ魚の目をした(しろがね)の髪色。こんな容姿をした知り合いなんて私には居ない筈だ。……銀髪?

「あ…さ、坂田、?」

 咄嗟に脳裏に()ぎるのは思い出したくない攘夷志士時代の記憶。風に(なび)(しろがね)の髪に似つかわしくない程に赤黒く染まりあがった血が至る所に滲んでいたあの姿。その男。銀色の髪に血を浴び、戦場を駆る姿は。

 ─────(まさ)しく、"夜叉"。

「やっぱりお前ェAだろ。何でこんなとこ居んの」
「…成り行き、みたいな」
「は?成り行き?」

 坂田にそう聞かれ思わず黙り込む自分。余計なこと言って土方さんに怒られるのも面倒くさいし、ここは黙秘を通してやり過ごそう。言わば黙るが勝ちって奴だ。隣で坂田を睨む土方さんの視線が自分に移るのを身体で感じた。未だに何故私と坂田が知り合いなのか分かっていないらしい。この様子だとまだ坂田の素性はバレていないようだ。いいなあ。

「…まァいい。おい万事屋。こいつァ俺の女だ。鮴谷(ごりや)さんだっけか、あんたも悪ィがこの件はなかった事にしてくれ」

 そう言いながら土方さんは私の肩を自分の方に抱き寄せた。やめろ近寄るなフリでもしたくないわ今すぐ帰りたい。至近距離になればなるほど漂ってくる彼の香り。その中に身を潜める様に隠れる(ほの)かな煙草の匂いが尚一層私の鼻の中に侵入して来る。この感じ、嫌いじゃなかった。

「え、何。Aって大串君と付き合ってんの?」
「あ、うん」
「まじでかァ!?お前マヨだらけにされて食われるぞ!」
「…マヨ?」
「余計なことを言うんじゃねェ腐れ天パが!!」

 すぐさま土方さんと坂田は言い合いになってしまい土方さんの手は私から離れていった。どうやら見た感じこの2人は知り合いらしい。近藤さんも坂田の連れである2人と話していたのを先程見かけたので一行で知人であろうか。
 何だか私だけが置いてけぼりみたいで少し嫌な感じがした。まあ別に少しだ。私はもう誰とも関わらずひっそりと静かに生きていきたいと願ってきたじゃないか。非凡を願うのはやめろ。おぞましい感じだ。

名前→←万事屋



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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月2日 20時

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