✿大奥に咲く七輪の華✿ (ページ7)

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皆、言葉を失った。

以前、藤ヶ谷様が話してくれた時は
てっきり大奥の者が上様の家族を斬り捨て、
家に火を放ったと思っていたが···
実際は蘭が親父さんを斬り捨て
上様自身が火を放っていたのか···。

思ってたより何倍も辛い。

上様は淡々と言葉を濁すことなく話し終えた。

蘭と名乗る男も、
上様も壮絶な過去を経験してきたのだろう。

二人共…先代の上様のお子なのに。

本来ならこの大奥で饗される方達なのに。

「蘭の手下の者を捕らえ、文を渡した。
恐らく蘭の手元に渡っているはずだ。
大奥に来るだろう。蘭と話す時間が欲しい。」

上様は藤ヶ谷様を見る。

「ガヤ、蘭は俺が斬る。‥‥いいね？
勿論、伯母さんの復讐をしたいのは充分理解している。」

藤ヶ谷様は頭を下げる。

「…俺ではあの男を斬れない。実力が違いすぎる。
上様…いや、玉…頼みます。」

『なら！俺を護衛につけさせてください！！』

勢いよく手を上げる。

「宮田……。」

『確かに一瞬で肩を斬られました。
……速かった。実力差は歴然です。
だけど…俺は裕太様の盾になれます。
絶対に役に立ってみせます。
この命、裕太様に捧げます！』

俺の言葉に上様は微笑む。

「それは心強いな…。」

‥‥‥何だ？

上様の表情に違和感を覚えた。