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兄弟は知る ページ39

「じ、人格…?」



想像もしていなかった彼女の本性に、弟達は誰もが驚きを隠せず、目を見開いた。

その反応に満足気に彼女はにんまりと笑うと、持っていたナイフを慣れた様子でくるくると回した。



「つまり…Aちゃんは多重人格…?!」

「道理で猯↓瓩了纏の時、性格変わると思ったよ……」

「……ソレも演技、とかじゃないよね?」

「まさか。知ってるでしょう?Aは血を見るだけでも怯えちゃうの。
特におそ松はあの子のお気に入りだから、そんな彼のこんな姿を直視出来ると思う?」



そう言いながら彼女は足元に跪くおそ松を見下ろす。

おそ松は痛みに顔を歪めながらもクロを睨むように見上げ、他の兄弟達も彼女の言葉に何も反論出来ず、黙り込んだ。



「……Aちゃんを、返してっ!」



少しして十四松の懇願が部屋に響き渡る。

だが彼女はクスクスとおかしそうに笑うと、憐れむような視線を兄弟達に向けた。


その瞳はゾッとする程冷たく、トド松は思わず小さな声をあげた。



「…返して?馬鹿じゃないの?
この子はアンタ達なんかのモノじゃないわ。

………それに、これからいなくなる人のモノになんてさせるワケないでしょ?」

「「「…!?」」」



直後、彼女は強く地面を蹴ると、カラ松達に襲いかかった。

カラ松達は咄嗟にバラバラの方向に避け、彼女を囲うように位置取ると、それぞれ武器を構えた。


クロも持っていたナイフをまたくるくると回しながら品定めするように彼等を見渡すと、ニヤリと笑みを浮かべた。



「A…………」

「テメェ…!今まで散々助けられたクセにこの仕打ちはなんだよ!!」

「猯↓瓩了纏だけ会う中だったとは言え、結構好きだったんだけどなぁ……その顔」

「勝ったらAちゃん返してよーー!!」

「ま…まぁ?数はこっちの方が圧倒的有利だし?
女の子1人相手に5人で挑むのはちょっと気が引けるけど?でも僕達を敵に回したのはそっちだし?」

「あはは、確かに数じゃあ負けよねぇ」



「これじゃただのリンチだわ」と彼女は笑みを崩さず続けた。

トド松の言う通り、状況は相手側が圧倒的に不利であるはずなのに、何故か消えない彼女の笑み。


緊張が走る中、彼女はゆらりゆらりと揺れた後
弄んでいたナイフを握り直した。





「___でもアナタ達は狷猫瓩某されてる」

彼女は見ていた→←彼女は名乗る



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(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月9日 1時

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