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それからカラ松は毎日、少女の家に足を運びました。

その手にはいつも土産物を持って。


少女も少女で彼が来るのをいつも心待ちにしておりました。

ただ、土産物についてはあまり良く思っておらず、いつも受け取らないようにしていたのですが
気付けばカラ松が勝手に置いて行ってしまうので少女はそのうち諦め、時々その手から受け取るようにしました。


2人は集まっても特にする事は無く、ただただ互いの話を聞くだけだったのですが
それだけでも少女にとっては楽しいひとときでした。

次第に少女はカラ松という男に惹かれていき、いつしか彼女は彼に対して恋心を抱いていったのです。



そんなある日。




夜分、少女の家に盗人達が押し入りました。

カラ松がいつも持ってくる土産物が目当てでした。


少女は好意を抱く彼からの贈り物だったので、勿論反抗致しました。

しかしそれは容易く止められ、更には少女までもを連れ去ろうと、そんな話が盗人達の中で交わされました。

少女は酷く怯え、そして心の中でカラ松の名を呟いた、その時でした。



大きな黒い翼を持った妖がやって来たのは。



妖は盗人達を殺してしまうと、ギロリと鋭い眼光で少女を見遣ります。

しかしその瞬間、少女には恐怖などありませんでした。
寧ろ驚きと仄かな喜びで、声が出なかったのです。



だってその妖は、紛れもない『カラ松』だったのですから。



カラ松は自分は『烏天狗』という妖だと彼女に伝えました。

そして、少女に思いを寄せている事も伝えました。


少女は目に涙を浮かべて微笑むと、カラ松を抱き締めて、接吻を交わしました。





女性はそう話し終えると、ニコリと微笑みました。

その瞳は何処か遠くの情景を見つめているようで、話を聞いた村人は訝しげに眉を顰めます。



「要は、妖にも良き存在はいる。
人間だって、そうだろう?」



そんな村人に女性はまた微笑みを向けて肩のカラスを一撫ですると
青眼のカラスは一つ鳴いて、彼女に頭を擦り寄せた。

許してあげない【ゴウセル】*蓮様リクエスト→←青眼のカラス【妖怪松】



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ルナストーン(プロフ) - *IJu*さん» なるほど…分かりました!ありがとうございます! (2020年10月14日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ルナストーンさん» バンは『七つの大罪』って作品に出て来るキャラですよ〜! (2020年10月14日 23時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - *IJu*さん» すみません…あの…バンって…なんの作品のキャラクターなのですか? (2020年10月14日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 蓮さん» 了解しましたー!お話が思いつき次第更新いたしますので、少々お待ち下さい! (2016年8月2日 22時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゴウセルのデレデレお願いします! (2016年8月2日 21時) (レス) id: fde5658c77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年2月2日 23時

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