△リボンが76こ▽ ページ30
彼女が気になっていたその靴もやはりヒールが高い物で、でも先程のよりは低く7cm程度。
だがやはり真名部から見たら十分高い部類に見えた。
真名部はまた彼女が倒れないようにしていたが、今度はふらつきもせずにちゃんと立ち上がる事が出来、しかも歩く事も難なく出来た。
「(……いや、別にさっきのような展開を期待していたワケではないのですが。ええ、決して)」
「この靴、履きやすーい!コレにするー!」
何処か期待していた真名部は内心しょんぼりしながらも、嬉しそうに靴を鳴らしながら周辺を歩き回る彼女に思わず笑みが溢れる。
「それにしますか?」と尋ねるとAは大きく頷いた。
サイズも今履いている物で大丈夫そうなので、そのサイズが無いか店員に尋ね、会計時には踵の潰れた彼女の小さな靴を箱の中に入れて、代わりに買ったばかりの新品の赤い靴を彼女に履かせてそのまま店を出た。
「良かったですね、素敵な靴が見つかって」
「うん!じんくん、ありがとー!」
「…いえ、買ったお金はアナタの母親のお財布からなので、別にお礼を言われる事は…」
コツコツと上機嫌に踵を鳴らしながら真名部の隣を歩くA。
ヒールのせいで元々真名部より少し高めだった彼女の身長が更に高くなり、真名部は内心複雑な思いを抱える。
でも彼女の喜んでいる姿を見て紛らわせると
不意に真名部が立ち止まって尋ねた。
「そう言えば、此処って文房具とか売ってる所ってありますかね?」
「ぶんぼうぐ?」
「えっと…鉛筆とか、消しゴムとか…そういうのが売っている場所です。
出来れば本を売っている所もあると嬉しいのですが…」
真名部は頭の中で彼女に必要な物を数えながらそう言った。
この時、彼は彼女に勉強を少し教えてようと考えていたのだ。
彼女の知識は今までの環境故に最悪で、まともに物の名前も知らないし、文字もひらがな意外はほとんど読めない。
計算なんて全く出来ないし、そんな状態では私生活でも苦労するだろう。
文房具があればノートも売っているだろうし
本屋があれば簡単なドリルがあるだろう。
この時の真名部はもう完全に
世間がどう騒いでいるのかも知らないで。
知ろうともしないで。
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*IJu*(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜! (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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