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△リボンが61こ▽ ページ15

「じんくん……?」



言われてAは反対側に首を捻ると、オウムのように復唱した。

だがすぐに初対面の時のように「じんくん!」と繰り返すと、無邪気に笑った。



「じんくん!素敵!可愛い名前だね!」

「かわっ……うぅ、ありがとうございます……」



案の定『可愛い』と言われてしまい、真名部は内心肩を落とす。

だからあまり言いたくなかったのだが…仕方ない。
それに彼女の場合は純粋な褒め言葉なのだろう。


でもあんまりにも「じんくん!じんくん!」と繰り返すので真名部は1度ソレを止めさせると
Aは素直に止めて嬉しそうに微笑んだ。



「あんまり呼ばれるとその…恥ずかしいんですから…その言い方」

「どうして?お外はじんくんって呼ばないとダメなんでしょ?」

「だ、ダメですけれどね?
でも……やっぱり僕は、普通に呼ばれる方がいいかと」

「じんいちろうの方がいい?」

「じっ……?!」



想定外のタイミングで自分の下の名前を呼ばれ
真名部は思わず目を見開く。

バッとAの方を見ると、Aは相変わらずニコニコと笑っていて、真名部は顔が赤くなるのを感じながらすぐ彼女から目をそらした。


まさか、自分の名前を覚えているとは思わなかった。

しかも不意に呼ばれたから、動揺し過ぎて変な態度を取ってしまった。


だが、やはり下の名前を彼女に呼ばせるのは些か真名部の心臓に負担が掛かる事がよく分かった。

ここまで自分が動揺するとは思わなかったが。



「………その、その名前は……まだ、ダメです……」

「…?そうなの?じゃあ、じんくんにするね!」

「……………はい」



少しの間を空けて、真名部は彼女から目をそらしながらそう言うと、Aは不思議そうに真名部の顔を覗き込みながらも、ニパッと笑ってそう言った。

その時の笑顔も横目で真名部は盗み見ると、思い出したかのように帽子の鍔に指を添えて目深まで被った。


しかしもう遅い事で、彼の湯だった顔と大いに狼狽えた表情は、バッチリAに見られていた。

△リボンが62こ▽→←△リボンが60こ▽



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*IJu*(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜! (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月13日 1時

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