【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルは仲間外れ ページ49

「当たり前だろ。お前は昨日来たばかりで、サッカーの選手でもねぇから何にもデータが無いんだよ。

だから暫くはお前の動きを見て、こっちで決めさせてもらう」



もしかして忘れられていたんじゃないかと思ったけれど、そうでないみたいでちょっと安心。

よく考えたら確かに私は来たばかりだし、当然だよね。
サクマとゲンダは選手だからポジションはほとんど決まっているようだし。


判断基準とか、嫌なポジションだったらどうしようとか思ったけれど、とりあえずフドウの言う事には従おう。

私はサッカー初心者だから、こういうのはよく分かってる人に任せるべきだ。



「つー事で、メシ食い終わったらグラウンド集合。
それぞれのポジションに分かれて待ってろ。

ただ、黒井だけはベンチに集合な。
お前だけ別の練習メニューをこなしてもらう」

「はぁい…」

「じゃ、解散」



フドウの合図で皆椅子から立ち上がると、ミーティングルームを出て食堂の方へと向かった。

私もサクマとゲンダと一緒に食堂に向かおうとしたけれど、ちょっと疎外感を感じてむくれていた。


仕方がないのはわかってるつもり。

でもやっぱり、何だか仲間外れにされた気分。


2人と一緒にサッカー出来ると思ったんだけどなぁ…



−−−



朝御飯を食べ終えたら、フドウの指示通り私はグラウンドの端にあるベンチに腰掛ける。

その間、他の皆はグラウンドの中でフドウの指示を受けていて、私はその様子を1人だけで見てる状態。


サクマとゲンダも当然、向こうだ。

こうなっちゃうと益々仲間外れな気がして寂しく感じる。


早く私もあの中に入れればいいのに……

でも私の今の運動神経だと、何ヶ月…いや、何年先になるんだろう。



「…何、拗ねた顔してんだよ？」

「うわぁっ？！」



寂しさと疎外感と、ちょっと不満と一緒に膝を抱えながら私はベンチの上で座っていた私は、こちらにやって来たフドウに気付かなかった。

思わず驚いてしまい、直後に恥ずかしくなって目をそらすと、フドウは「ガキかよ」と意地悪な笑みを浮かべる。



………フドウだって子供でしょ。

多分、私と同じくらいの年齢だろうし。

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