【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルとお誘い ページ45

「…ところで、黒井。晩メシの後空いてるか？」



私がどんなに名前を訂正してもわざと間違えて笑うフドウ。

だが不意に表情を改めると思い出したかのようにそう私に尋ねて来た。



「晩メシって…ご飯の後？」

「そーだ。一応サッカーのルールについて教えてやろうと思ってな」



今度は何を企んでるのかと怪しんじゃったけれど
意外とまともな理由だった。


聞いてみれば、本当はタカナシに教えさせるつもりだったんだけれど、さっき頼んだら生返事ばっかりだったんだって。

それで不安だから、タカナシの代わりにフドウが教えてくれるらしい。


これから私はサッカーをするんだから、ルールぐらいは把握してもらわないと今後の動きに影響するし
何よりサッカーには�爛侫�ーメーション�瓩箸��爛織�ティクス�瓩箸�、よくわからないけれどチームが力を合わせないと出来ない事とかあるみたい。

ソレを理解する為にも、基礎的な事は早めに覚えておいてもらいたいんだって。



「ま、お前の小さい脳味噌が何処まで覚えられるか不安だがな。せめて、基礎ぐらいは頭に叩き込んでほしいぜ」

「またそうやって馬鹿にする…！」

「事実を言ったまでだろ？」

「言っとくけど、物覚えはいい方なんだからね！
人の名前は聞いたら絶対忘れないもん！」

「ほぅ…？言ったな？
じゃ、お前には1回しか教えないからな。
忘れて聞きに来ても俺は2度と教えてやんねーぞ？」

「うぐぅ……」



……本当にフドウって意地悪。

しかも言い返せないのが悔しい。
そんなにサッカーって覚えるのが難しいのかな。



「じゃ、晩メシ食い終わったらミーティングルームに……」



何にも言い返せないのが恥ずかしくてフドウから目をそらすと、フドウは楽しそうに笑う。

そうして何か言いかけたが
その言葉を遮るようにもう1つの声が響いた。



「A！こんな所にいた…の、か……」



声の主はサクマ。
どうやら私を探していたみたい。

サクマは私を見つけると微笑んで駆け寄って来たけれど、フドウと目が合うと途端に笑みが崩れ睨むようにフドウを見遣る。


対してフドウも邪魔が入ったからか不機嫌そうな顔をした。

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