意地悪な僕は嫌いですか？【黒子のバスケ・黒子テツヤ】

Don't bug me！：17 ページ18

黒子「ところでAさん。

　 家はこっちであってるんですよね」


貴方「うん、大丈夫！」


もうちょっとで家に着く。


…寂しいなぁ。


わざとゆっくり歩いてみたりして。

ちゃんとペースを落としてくれる黒子くん。


優しいなぁ、って暖かくなる。


恋人同士だったらつなぎ止められるだろうけど、

私と黒子くんはそんな関係じゃない。


黒子くんに聞こえないようにため息をついて

少しうつむいた。


黒子「寂しい、ですね」


貴方「え？」


.


黒子「Aさんと離れるの、なんか寂しいです」


貴方「！」


.


ちょっと照れたような顔で、

そんなこと言わないでよ。


.


貴方「…私も、…さみしい」


思わず言葉が零れ出る。


言った後に恥ずかしくなって、うつむく。


つないだ手が熱い。

熱くて熱くてたまらない。


黒子「Aさん、」


貴方「…？」


顔を上げると、


.


え。


.


唇に柔らかいものが触れて、

目の前には目を閉じた黒子くんのまつげ。


微かに感じる吐息。


.


すごく長い時間に思えた。


たぶん、一瞬だったんだろうけど、

ずっと長い間キスしてたみたいな。


しばらくして離れた黒子くん。


唇が、なんだか寂しくて。


黒子くんは何も言わず、

私の手を握ってそっと微笑んだ。

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