真っ白なメモ帳2 ページ4
見たことがない子だ、これは1年生だろうか。私のメモ帳に名前はない。それに幼い子だ。
その子はまたやっちゃったー!とちょっと大きめな声をだすと、再び台所に立った。洗い物をしている様子。1回、2回、3回とテンポよく皿が割れる音と様子が流れてくる。
「割すぎだよ……」
心配せずにはいられない。ハラハラしながら、その記憶を見ていた。その時、後ろからあー!っと言うでかい声がした。明るい色の髪のやんちゃそうな少年がいる。
「君!どうして俺の割った皿見つけてるの!?俺、絶対見つからないところに隠してたんだよ!」
それはこの記憶の持ち主だった。ウソが付けないタイプなのか、自分がやったのだとあっさり言ってしまってる。
「あなた、ここに危ないもの隠してたら、先生に怒られるよ。」
「う……で、でも俺、この学園来たばっかりで、道を覚えてないんだよ!見つかったら怒られるし……これは学園のお皿だから、
洗い物手伝ってたんだ!」
どうやら、先生に怒られるのが怖いらしい。まあ、手伝いでなら、許してもらえると思うけど。
「隠さず、本当のことを言えばいいよ。下手に隠しても、更に怒られるだけだよ」
「う、うん……」
「それより、これって学校のお皿でしょ。後、数枚はどこに隠してるの」
「なんでわかったの!?」
しおらしい態度から一変し、彼は目を輝かせこちらを見る。曇りなき眼だなぁ。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MIO | 作成日時:2020年1月7日 19時