事件・スゴウデ執事(初等部1年) ページ5
「これが私の魔法なんだ」
「すげー!なんかカッコイイな!血とかからターゲットを直ぐに見つけて、シュババッて敵を倒すんだね!?」
シュババッて敵を倒す?私は首を傾げるが、少年は既に自分の世界に入っている。
「俺が読んでる、スゴウデ執事の物語に登場するんだよ!うわあ、カッコイイなあ!」
「私はどちらかというと貴族なんだけど……それに戦闘は……」
「じゃあ、何するの!」
私は曇りなき眼に見つめられ、どう答えれば良いのか分からなくなる。ちょうど中間っぽい答えがポンと出る。
「ひ、人を助けるために使うんだ、うん!」
焦りに焦って、特技落し物届けのことをめいいっぱい良いように、強調して言ってみる。彼はますます目を輝かせた。あー、ちょっと失敗したかな。すると彼は私の制服の袖をグイッと掴んだ。
「ねえ、俺のスゴウデ執事になる特訓、付き合ってよ!今は洗い物を頑張ってマスターしてるんだ!でも、難しいんだよなあ!」
「お姉ちゃん、ちょっと忙し……うわ!」
少年は私の腕をつかんで、元気よく走り出す。私は流されて、そのままその依頼を引き受けることになってしまった。
「俺、ロッド・ラインレト!スゴウデ執事になるのが夢なんだ、先輩は?」
「わ、私はルビー・モーリス……」
彼はルビー先輩!っと嬉しそうに笑ってみせる。元気いっぱいの子だな、ああ、そうだ。
私、色んなものの情報はメモに書いてたけど、人の事には名前くらいで、まだ触れていなかったな。
何となく、私は初等部1年生の所にロッドくん、元気いっぱいと書いてみることにした。
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作者名:MIO | 作成日時:2020年1月7日 19時