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「その内容しだいで、俺たちの考えも変わってくるかもしれない」
「うんうん、この『B1』で生徒会長の『ユニット』が派手に負けて爆死する可能性だってあるんだしね」
「それなら早々に見切りをつけられる、危うい泥船に乗る手はないもんね」
「うむ。昨日の『S1』で、生徒会の権勢は失墜した。生徒会でも負ける、それが証明されたのだ。生徒会に媚びを売るため、生徒会にのみ投票する、という『これまでの夢ノ咲学院の常識』は覆ったはずだ。公正な、実力勝負になる。野良試合だしな……記録にも残らないから、観客はライブを見て『良い』と思ったほうに投票するはずだ。生徒会長の実力を見定める、良い機会だ」
『そう簡単に……上手くいくとは思えないけど……』
「偉そうに語っていたものだが、長らく生徒会長は入院していて、その『ユニット』も活動を休止していた。病みあがりで勝てるほど、ドリフェスは甘くないぞ」
「さて、どうかのう？」
『お兄ちゃん！』
なんでお兄ちゃんがここに？……まさか！？
「天祥院くんは病弱ゆえに、無駄な汗はかかぬ。体力を消費せず、カロリーを用いず、勝つべきときに最小のちからで勝つ。ひ弱な病みあがりと侮っておると、痛い目を見るぞよ？」
「むっ、朔間先輩。『ユニット』専用衣装を着ているが……まさか、この屋外ステージで行われるという『B1』で生徒会長と戦うのは、『UNDEAD』なのか？」
「そうじゃよ。すでにドリフェスは始まっておる、『戦うのは』というより『戦っているのは』じゃのう？」
お兄ちゃん、顔色悪い……
「天祥院くんから、名指しで挑まれてのう。血の気の多いうちのわんこが、何も考えずにその申し出を受理してしもうたのじゃよ。昨晩のドリフェスでは、我輩たちはおぬしら『Trickstar』の引き立て役じゃったからのう。我輩たちは、おぬしらが羽ばたくために必要な踏み台だったのじゃけど。どうも、わんこにはそんな立場がストレスだったようじゃの」
晃牙先輩め……
「それに負けん気の強い子じゃから、おぬしらへの対抗心を芽生えさせておるようじゃ。おぬしらにできたことが、自分にできないわけがない……などと意気込んで、生徒会と対決に踏み切ってしまったのじゃよ。浅慮というか、血気盛んというか……それは、わんこの美徳じゃが。今回ばかりはどうかのう、まんまと陥れられてしもうた気がするのう？あの天祥院くんが、負ける戦いをするとは思えぬ」
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作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年2月17日 22時
