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「久しぶりだね、A」
『……うん、久しぶり』
「元気……ではあるのかな?」
『そうだね、元気だよ』
「なら良かった」
5月上旬。私は知り合いに呼ばれて知り合いの屋敷に居る
『私の事よりも貴方の方でしょ?また、入院してるんでしょ?』
「そうだね。今日はAに話があって特別に許可を貰ったんだ。時間は限られてるけどね」
そう言いながら彼は、天祥院英智は微笑んだ
『なら、まどろっこしい事は無しにして要件を言ってよ』
「うん、そうする。単刀直入に言うよ、A。夢ノ咲学院に来る気はないかい?」
『夢ノ咲学院って……確か英智が通ってる』
「実は今年度からプロデュース科というのを設けてね。今、1人の女子生徒が通ってるんだ」
『プロデュース科……?てことは、アイドル科の?』
「理解が早くて助かるよ」
『でも、アイドル科って男子しか取らないんじゃ……その男子しかいない中に女子1人?』
「彼女は上手くやっているよ」
『まさか、私もプロデュース科に、とか言わないよね?』
英智なら十分有り得る
「ううん、君にプロデュース科は勿体ないよ」
『は?』
英智の含みのある言い方に眉を顰める
「A、どうするかは君に任せる。強制はしないよ。アイドル科と関わる事になるから」
『アイドル科と関わるけどプロデュース科じゃないって一体私を何科に転校させたいわけ?』
つい、1ヶ月前に普通の高校に入学したばっかなんだけど
「君には、作詞作曲科に転校してもらいたい」
『!……それって……』
「アイドルを辞めて完全に芸能界から降りても曲は作っているんだろう?」
『…………ははっ、そういう事。英智、私を怒らせたいの?確か、生徒会長になったんだっけ?何?生徒会長の権限って簡単に転校とかさせちゃうほどなの?』
「だから、強制ではないと言ったじゃないか。選ぶのは君だよ。僕的にはこのまま君の才能が潰れるのは惜しいと思っている」
『……確かに、私はもう音楽が側に居ないといけない程の音楽馬鹿になってしまったよ。今も曲を作ってる』
「なら」
『でも、私の曲を歌って踊って私を満足させるアイドルの卵がいるとは思えない』
「そこは君の好きなようにするといいさ。作詞作曲科では本格的にプロから学べる。悪くない話だろう?」
『……楽器とかも使い放題なの?』
「そうだね、君が望むなら」
『生徒会長強過ぎ』
呆れながら英智を見る。言ってる事に嘘偽りはないようだ
『もう少し考えさせて』
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ぶるブルブルミちゃん(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!!!! (2022年1月4日 22時) (レス) id: 33d476be95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポン酢 | 作成日時:2020年4月26日 4時