【CS】鳥籠の外【けしまし】 (ページ24)

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「怪我……? あ、本当だ。確かに血出てますね。でも痛くないから大丈夫です。軽い怪我なので多分すぐ治ります」

「僕、あまりおじいちゃんに触れてきた経験がなかったのでかなり新鮮で。ふふ、時々おじいちゃんがいたらこんな感じなのかなって考えたりはします。どんな……うーん、心の内があったかくなって無性に安心する、といいますか……」

「……え? 上機嫌? そう見えますか? ……ふふ、貴方にはなんでもお見通しなんですね。実は学校で大きなイベントがあって──」

「まだ死んだことがないので分からないんですけど死後の世界ってどうなってるんでしょうね。……や、別に死にたいとかそういった感じではなく。純粋に気になったんです」

「わっ、びっくりした……。お兄ちゃんか。どうしたの? ……え、ああ、怪我……。大丈夫、今回はちゃんと気づいてたから。うーんとね、木の枝に引っ掛けちゃって。隠しちゃ駄目って言われてたしきちんと報告するつもりだったよ。……ふふ、お兄ちゃんは心配性だね」

「僕も最初はただの学ランなのかと思ってました。裏地が赤っていうのは初めて見たかもしれないです。とっても珍しいですよね、この制服」

「あっ、じゃあ囮とか。足だけなら多少自信があります。それに一瞬気さえ引ければ君たちがどうにかしてくれそうだし。仮に多少の攻撃を食らったとしても僕ならまあって。……うーん、駄目?」

「僕だって、ずっと守られてばかりはもう嫌なんです」