6:戦慄の人攫い ページ9
夜道を、只ひたすら一人で歩く。
辺りはすっかり暗くなってしまい、街灯や、家からこぼれる光は、寂しげに帰路を照らしてくれていた。
「……今日の夜は一人か。」
この寂しく見える情景は、私の心の情景のせいなのではないか、と少し考えてしまう。
「いや！寂しいなんてそんな…！そんなこと……」
＿＿＿＿ない。
心の中で、声が消え入る。ちゃんと否定できない。寂しくて仕方ない。
「寂しいな……」
「寂しいのか？」
背後から、男の声が降りかかる。
気配がなかったはずなのに。と、振り返ろうとした瞬間、頭を強く殴られた。
「かはっ……」
勢いで地面に倒れふす。
受け身もまともに取れずに倒れたため、顔に擦り傷ができてしまった。
「だ………れ…？」
「名乗る名はない。貴様には、な。」
視界が徐々に黒ずみ、相手の声が遠のいていく。意識を手放す感覚の中、私は
＿＿＿＿オレンジ色の仮面の中に赤い色の瞳を、目でとらえていた。
-------------------------
「人攫い！？」
「いったい誰が攫われたんだ…！？」
「うちは一族の…Aという少女です！」
火影室では、朝から不穏な報告を聞いた三代目火影 猿飛ヒルゼンは、眉間を押さえ、考え込んでいた。
「いかがなさいましょう？火影様」
「ただ今里の上忍及び中忍は、ほとんどが任務に出ています！これ以上は…」
「わかっとるわい…！そんなこと！」
＿＿＿＿どうしたものか、
ヒルゼンが、溜息をついたその時、
「ハッハッハー！三代目！その任務、我が第三班…そしてェ、このマイト・ガイが引き受けましょう！」
突然ノックもなしに、火影室扉を蹴り開いたゲジ眉のその男、マイト・ガイは親指を立ててニッカリと笑った。
「ガイ！本当か！」
「ええ！敵は一人と伺っております！それに攫われたのは少女一人…！我々でも救えますぞ！」
「うーむ……」
ガイの班は、確かに強い。
だが、敵に対する情報があまりにも少なく、潔く送り出すことができない。
「火影様…ここは第三班に任せてみては…」
先程も言っていたが、上忍及び中忍のほとんどがいない今、無駄に戦力を落とすわけにはいかない。
＿＿＿＿仕方ない。
「マイト・ガイ率いる第三班に命ずる。うちはAを助け出してこい！」
「了解いたしました！！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
深雪 - とっても面白いです!続きがすごく気になります!更新大変だとは思いますが、頑張ってください(≧▽≦) (2018年8月8日 14時) (
レス) id: 2f5af6b4dd (このIDを非表示/違反報告)
ねこメ - 更新停止中なのが勿体無いくらいとても面白いです！続きがすごく気になりました！お忙しいとは思いますが、更新されるのを楽しみに待っています！ (2018年8月4日 1時) (レス) id: 9bbab6553f (このIDを非表示/違反報告)
ZIN - 更新楽しみに待ってます！ (2018年2月6日 5時) (レス) id: af655f0d36 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - この小説大好き更新頑張って下さい！ (2018年1月4日 22時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 黒氷雨さん» 更新待ってました楽しみにしてます☆頑張ってください☆ (2018年1月4日 19時) (レス) id: d0e46f9e31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒氷雨 | 作成日時：2017年11月18日 20時
