2:まだ仲良し兄妹 ページ4
「あとナル」
Aがナルトと言い切る前に、口元を誰かに手で押さえられ、言葉は遮られた。
「ん゙〜!」
「あんま言いすぎんな…お前…」
押さえたのは、実の兄貴だった。
彼女は抵抗するのもムダ、と判断した上で黙って目を伏せた。
「ったく…」
「スキあり…!」
離れていった手を今度はAが掴み取り、ぎゅうっと力強く握りしめた。
思わずサスケの顔がゆでダコの様に赤くなり、手を振り解こうと上下に振るが、びくともしない。
「くそッ!離せA!」
「イヤ…!たまには手繋ぎたい…!」
道中、道のど真ん中で兄妹の戯れは、非常に周りから浮いて見える光景だ。
「あはは…(くっそ羨ましい。)」
「(サクラちゃん、羨ましそうだってばよ)」
眉間にシワを寄せ、なんとも言えない顔をしているサクラを、ナルトは頬を引きつらせながら横目で一瞥。
帰路に再びついた七班+Aの4人は、他愛もない会話をする中で、それぞれの分かれ道に差し掛かった。
「じゃーな、ナルト、サクラ」
「おやすみなさい、ナルト、サクラさん」
ぺこり、と一礼したうちは一族は横に並んで家の方へ。
「またねー!サスケくん、ナルト、A!」
手をひらりと、翻し小走りで家へと向かうサクラ。
「おうー!明日な!」
大きく元気に手を振ったナルトは、家の塀の上を駆けていく。
「素敵な班員さんたちね」
「…ふ、そうかよ」
「私も…嗚呼言う人達と組みたいなぁ…」
「お前は優秀だ。きっといい奴らと組める。」
「優秀………、う、うん…そうだといいね…」
サスケの褒め台詞に、Aの頬がぽーっと赤くなり、薄暗いにも関わらず、顔を腕で隠しながら歩く。
「トマトみたいだぞ」
「いっ」
不意に、目の前に一歩、進路を塞いだサスケはAの額に、人差し指と中指を一緒にして、トスンと強めに小突いた。
「……痛い」
「痛くしたんだよ、」
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深雪 - とっても面白いです!続きがすごく気になります!更新大変だとは思いますが、頑張ってください(≧▽≦) (2018年8月8日 14時) (レス) id: 2f5af6b4dd (このIDを非表示/違反報告)
ねこメ - 更新停止中なのが勿体無いくらいとても面白いです!続きがすごく気になりました!お忙しいとは思いますが、更新されるのを楽しみに待っています! (2018年8月4日 1時) (レス) id: 9bbab6553f (このIDを非表示/違反報告)
ZIN - 更新楽しみに待ってます! (2018年2月6日 5時) (レス) id: af655f0d36 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - この小説大好き更新頑張って下さい! (2018年1月4日 22時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 黒氷雨さん» 更新待ってました楽しみにしてます☆頑張ってください☆ (2018年1月4日 19時) (レス) id: d0e46f9e31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒氷雨 | 作成日時:2017年11月18日 20時