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探偵社入社秘話 ページ42

______こんな雨の日には思い出す。


私と社長が出会った日のことを。

昨日のことのように。




.


私は殺し屋だった。

父も母も殺され、自暴自棄になっていた私。

何故か私には暗殺の才能というものがあったらしく、異能のこともありその筋の社会ではそこそこ有名だった。


人を殺すのに抵抗はなかった。
両親の死を目の当たりにした私は如何やらそういう感覚が麻痺したらしかった。


そんな時、ある依頼が入った。

"武装探偵社の社長を殺せ"

其の人物は如何やら探偵社に恨みがあったらしく、その顔は憎しみに満ちていた。


勿論私は了承した。



或る夜。

雨が降っていた。
私は立っていた。


傘も差さず、只立っていた。


福沢諭吉が来るのを待っていたからだ。
そして来た。

その時のことはよく覚えていない。

ただ私は殺し損ねた。

「・・・殺さないと」

私はそう呟いた。
その日が雨だったのは偶然ではなかった。

「・・・異能者か」

氷を造り、私は攻撃した――――でも避けられた。
そして異能は万能ではない。

体力を消耗した私は力無く倒れこんだ。

「・・・名は何という」

「・・・川端、A」

何故か私は答えていた。


「――――武装探偵社に入らないか?」

「―――は、?」


只々意味が判らなかった。

何故此の人はたった今自分を殺そうとしていた者を・・・?


「その力、人を殺めるのではなく、人を救う為に使わないか」
「救う、為?」


その時私は思い出した。

父の仕事を。

母の仕事を。


父は警察官で、


母は医師だった。


_______嗚呼、莫迦だ、私は。


父も母も命を大切にする人だったのに。
父も母も沢山の命を救ってきたのに。


とんだ親不孝者だ。


「私でも、なれますか・・・?
人を、救えますか・・・?」

「―――嗚呼」


差し出された手を、私は取った。


.


それから社長には色々とお世話になった。
それは今も同じだろうけど。


「―――扨、仕事をしよう」


×××
・・・社長の口調、判らない。

文豪たちにインタビュー→←.後書き.



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Smile - 読んでてとても楽しかったです!!!続編待ってます (2018年1月16日 20時) (レス) id: 7981af13dc (このIDを非表示/違反報告)
団子 - 続編読みたいです!頑張って下さい! (2017年11月11日 16時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - すごく面白かったです!織田さんとの恋愛が読んでいて一番印象的でした。続編、楽しみです! (2017年10月8日 3時) (レス) id: eef365d12e (このIDを非表示/違反報告)
ぐーさん - 初めまして。あもサン (2017年5月30日 23時) (レス) id: 18ff760733 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - この作品、何回も読み直すくらい大好きです!!主様、頑張って下さい。 (2017年3月31日 22時) (レス) id: f4f41de96b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あも | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年12月31日 18時

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