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猫玖月 ページ18

――――――話を聞いていれば、どうやら、敦君が目的のようだった。


「そこに転がるお仲間は――――いわば貴様の巻き添え。」



「僕のせいで、皆が―――――?」



「然り。それが貴様の業だ。人虎。貴様は―――生きているだけで周囲の人間を損なうのだ。」



―――――違う。



「自分でも薄々気が付いているのだろう?」



『違う!!』


私の大声に敦君、芥川、樋口が振り返る。
そこには、人間の私。


「ほう・・・。異能者か。」


芥川が目を細める。


「Aさん!いま人間になったら、!」


「人虎の言う通り。猫のままであれば殺さずにすましたものを。
異能者ならば話しは別。


死んでもらお――――!?」



桜の花弁が舞う。
芥川を取り巻く。


芥川は目を細めた。
おそらく眠気が来たのだろう。


「それも貴様の異能か!真逆、異能が二つも?・・・有りえぬ。」


『じゃあ、知っておいて。有りえないことだらけなのがこの世の中!』


いつまで持つ―――?
【猫夜桜】は相手を夢心地にさせるか、眠らせるかで戦闘不能にする。


だけどそれがいつまで続くかは相手の強さ次第。


多分、強い。



そう長くは持たない筈―――――だけど!!


『敦君!逃げて!』



「え?!そ、そんな!!」


『いいから!潤一郎君も、ナオミちゃんもまだ息がある!早く晶子さんに・・・!


それぐらいの間くらいは時間稼ぎ出来る筈―――!?』


黒い物が飛んでくる。
それが―――――――――





私の体を突き刺した。


『ぐッ・・・!かはッ!』


口から吐血する。
私は力なく倒れた。


「Aさん!!」



敦君が近寄ってくる。


「しーーーしっかり、してください!!」


やだ、なぁ、泣きそうにならないでよ。

ああ、治さんに叱られる。


『だい、じょ、ぶ、まだ、死なない、から、死ねない、まだ―――』


恩を返せてないから。


「―――ッ!」



「・・・なぜ。」

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key - すいません!イラストちょっと時間かかりそうなのでもう少しだけ待ってください!(TT) (2016年8月3日 4時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
みかんライフ - 凄く面白いです!更新頑張って下さい!あと夢主ちゃんのイメ画を描かせて頂いたのですがどうやって画像添付するんですか?教えて頂けないでしょうか? (2016年7月3日 22時) (レス) id: 19c61f8ae7 (このIDを非表示/違反報告)
藍@浅にぃlove(プロフ) - 藤宮チフユさん» あ、ありがとうございます・・・!!! (2016年7月2日 16時) (レス) id: fa191f5151 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮チフユ(プロフ) - 藍@浅にぃloveさん» トプ画拝見させていただきました!お上手ですね!! (2016年7月1日 22時) (レス) id: c708ca1697 (このIDを非表示/違反報告)
藍@浅にぃlove(プロフ) - あもさん» 全然使ってもらっていいですよ!!こちらも嬉しいです!! (2016年6月30日 21時) (レス) id: fa191f5151 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あも | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年6月17日 16時

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