花十輪 ページ30
「・・・ん、」
そっと目を覚ます。気怠さと腰の痛みが残っている。
だけど、それは何時もと違って、不快じゃない。
寧ろ、幸せとすら思ってしまう。
好きな人と愛し合うのは、どうしてこんなに、幸福感に満たされるのだろう。
陽の光が柔らかい。
何だか、凡てが愛しい。
「ちゅうや、さん、」
隣で眠る彼の頭を撫でる。
橙色の柔らかい髪と、子供のような寝顔。
きゅっと胸が締め付けられる。
─────大好き。
「中也さん・・・・」
中也さんの胸の中に顔を埋める。
中也さんの香り・・・落ち着くなぁ。光里も、この香りが好きなのかな?
そっと、離れようとしたけど、それは阻止された。
力強い腕に。
「どうした?」
「起きてたんですか・・・?」
「いや、今起きた。」
優しく笑う中也さんに、また胸が締め付けられる。
ぎゅう、と抱きついた。
「ん?どうした?やけに甘えてくるじゃねぇか。」
優しい声音で私の頭を撫でてくれる。
「・・・A?」
中也さんがそっと私の顔を上げた。
そして、驚いたように目を見開く。
「・・・泣いてんのか?」
「嬉しくて・・・こうして、近くに居られることが・・・」
「そうか・・・」
中也さんはそう呟くとぎゅっと私を抱きしめた。
そしてそっと耳元で囁いた。
「────俺もだ。」
***
いつのまにやら占ツク歴が三年になってました。
あっという間ですねぇ。
374人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椛 - すみませんコメ欄でパスワードをご教示されないという所を読んでいなくて不躾な質問をしてしまいました。申し訳ございません (2022年3月28日 18時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
椛 - 弱虫彼女の言行録【中原中也】のパスワードをお教えください! (2022年3月28日 17時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
ミント - とても感動しました! (2020年8月17日 21時) (レス) id: ccb520a109 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - とても感動しました! (2020年8月17日 21時) (レス) id: ccb520a109 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨花火(プロフ) - あぁーもーこの作品す☆き☆これからも頑張って下さい!! (2018年8月19日 22時) (レス) id: c6a781ea39 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あも | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huzisaki5
作成日時:2018年5月22日 20時