ＰＭ １２：００ 〔 Ｈ×Ｈ 〕 ...Quwrof...

…ルールは無用… ページ32

「ハイ、クロロお土産♧」


「時間掛かったな、馬は随分前に帰ってきたぞ」


「だってコノ子歩くの遅くてサ♡」


『放してってば!! この裏切り者――!!』



ヒソカに首根っこを掴まれ宙吊りのA。

服で首が絞まらない様、襟を掴みジタバタするだけ。

体術が全く無い事はこの状態を見れば誰でも分かる。



「…説教は後だ、先に飯を食え」


『クロロ料理出来たの？』


「ヒソカが作った」


『今時の男の人は料理出来るって本当だったんだ…』



Aの創作料理は命に関わる。

目玉焼きを作る子供とAの料理どちらかを食べろと言われたら誰もが子供のを選ぶ。

絶対に、間違いなく。



『美味しそう！ ヒソカ凄いね！』



宙ぶらりんのまま別荘のリビングに入れられたA。

何と単純な性格か、後で説教が待ってる事などもう忘れている。


そしてクロロの知らぬ間にヒソカを呼び捨てにしていて怒りを増幅させているなど気付かない。

「ヒソカとは特に喋ろうと気を遣わなくて良い」＝「ヒソカとは喋るな」の意。

団員ならばいちいち説明せずとも阿吽の呼吸だがAには全く通用しない。



「ハイ、スプーン♢」


『ありがとう、いただきまーす！』



しかも打ち解けているのもクロロには気に食わない。



「なかなかの出来栄えだと思わないかい♡？」


『お店の味みたい！ 戦闘狂なんて辞めてヒソカはレストランでシェフでもしたら？』



Aにそう言われてもクロロとヒソカは真に受けない。

どんなに緩く甘くAの味覚を評価しても相当ヤバい。



「A、ヒソカが毒でも入れてたらどうするんだ。 ホイホイ食べるな」


『え、ヒソカ私を殺すの？』


「まさか♧」


『だって。 クロロも少しはヒソカを信じないと、２つも依頼してるんだから』


「……」


「(またまた怒らせちゃって♡)」



次々爆弾を投下するA。

苛立ちゲージがＭＡＸに近いクロロ。

それを見てニヤニヤが止まらないヒソカ。



「(ウーン…イルミに独り占めさせるのは勿体無い逸材だねェ♢)」






ヒソカは自分がもっと楽しむ為にはどうするか策を巡らせる。

勿論Aを欺き、騙し、奔走させる事は必須。


何せ彼女の存在そのものがトラブルメーカー。

Aに動いてもらわなければ事は始まらない。


イルミの逆鱗に触れない程度で最悪の結果を招き

クロロに至っては確実に闘志を抱かせバトルする。

自身には極上となるシナリオを緻密に練るのだった。


.

…互いの距離感…→←…理屈じゃ無い…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す