25：行くあて〜クロロSIDE〜 ページ27
俺の言葉に放心状態になるA。
シャルは大丈夫？ とAの頭を撫でる。
団員達にはもうこのことは伝えてあった。
町で面白いやつを見つけた。 仲間にしたい。 と。
最初は満場一致で大ブーイングだった。
特にフェイタンが。
子どものお守りは嫌だ、と告げて。
だが俺にはAには天賦の才があるように思えた。
……あくまでも、勘だが。
そもそもカフェで出くわしたのは、あれは偶然ではなく必然。
町をフェイタンとフィンクスとで歩いていると、旅人らしい、フードを被った１５０ｃｍくらいの人間が目に留まった。
最初はただ一人旅をしている奴だろう。 とだけ思ったがそんな奴があんな質のいいローブを着ているわけない、と思ってなんとなく尾行した。
もちろん、何があるか分からないから絶を使って。
もし、金や高価なものを持っていれば掏ろう、とだけ思っていたのだがカフェで思わぬ事件に巻き込まれ、彼に才能を感じこうしてアジトに連れ帰ったわけだ。
彼自身、無意識にやっていたのだろうけど、相手の頸動脈を切ったとき、少しフォークに念を流していた。
少し切れ味をよくするくらいの、絶妙な量のオーラを込めて。
普通の子どもが念を使えるだけですごいというのに、彼はオーラの操作も相当うまかった。
さらに言えば殺気の出し方も並大抵の人間じゃできない。
特殊な環境で育ってきたことがうかがえる。
そう推察されたから俺の目に留まりこうスカウトをしているのだ。
Aは恐れ多いなど訳の分からないことを言いながらシャルの服の裾を掴む。
悪意がないのは分かってる。 俺たちに戦意がないのも。
だが、もしこの場で俺に“殺気を出してみてくれ”と言われたら言う通りにして皆を恐怖させるだろう。
それほどまでに、彼はオーラの使いどころを分かっている。
「A。 もし、入ってくれるのならお前が望む……その、サインと拇印をしてやってもいい。 どうだ？ お前にとってはいい話だろう」
俺の言葉にAは困ったように頬を掻いた。
「で、でも。 それじゃあ幻影旅団にメリットは？ ぼくみたいな凡人がいるだけでだいぶデメリットになってしまうのでは」
……だいぶネガティブだな。
それに自分のメリットは分かっていながら両者WinWinの関係を望むとは。
おかしな奴。
「お前が入ることが俺たちのメリットだ」
俺はそう告げた。
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RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
