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22話 アツヤ ページ27

円堂「あ〜いてててて…風になるのって大変だなぁ…」


夜。

僕らは着替えを済ませ、食堂に向かっている。


財前「しっかりしなよ!あたしは段々コツが掴めてきたよ。」

吹雪「うん!塔子さん筋がいいよ!」


吹雪が財前さんをにこやかに褒める。



鬼道「問題は全身のバランスの取り方だな。」

土門「ああ!風に乗る感覚さえ掴めれば、一気に世界が変わると思うぜ?」

財前「そうそう!その感覚分かる〜!」


鬼道の分析を土門が肯定し、更に財前さんが乗ってくる。



染岡「どうだった?風丸」

風丸「まだまだ、体を思うように動かせない。


エイリア学園が来るまでに、マスターしたいよ…」

東雲「…」


恐らく、風丸は難しく考えすぎなんだ。


特訓を、楽しもうとしていない…それが原因。


風丸は下手じゃ無いんだから、もっと気楽で良いのに…



壁山「腹減って死にそうっス…」

円堂「頑張れ壁山。晩飯はすぐそこだ!」


お腹を押さえ、辛そうに言う壁山を円堂が励ます。

だが、そんな二人を待っていたのは少ないご飯におかわりなし、また、一口30回噛むようにとの指令だった。



僕にとっては多いくらいの量だけどな…







その夜、みんなが寝静まった時間。



東雲「……ふーん………」


僕は、木の根元に座り込み、Myパソコンで調べていた。



勿論吹雪の事だ。

そうか…だから雪崩に過度な恐怖を抱いていたんだ…


って事は、吹雪の中には弟_アツヤの人格があって、オレオレ吹雪はそのアツヤって訳か。



なるほどねぇ…



東雲「…ふぅ」


パソコンを閉じ、グラウンドに行く。


あ、勿論上着を三枚程重ねてな?←



グラウンドの真ん中に、一人で立って月を見上げる。



吹雪「あれ?Aちゃんどうしたの?」



一 人 じ ゃ な か っ た



東雲「…別に。吹雪は?」

吹雪「…眠れなくてね」


月を見上げたままだから表情は分からないが、声色で何となく分かる。


東雲「アツヤ…だね」

吹雪「!!!…知って…たんだ…」


そっと吹雪を見ると、儚く微笑んでいた。


そんな吹雪を見て、心が苦しくなる。



吹雪「…Aちゃん…この事、みんなには…」

東雲「言わないよ。誰にも言わない。


安心しろ。」


吹雪「!!…うん。ありがとう」


ホッとしたように微笑み、「じゃあそろそろ行くね」と戻って行く。



もう暫く、此処にいよう



僕はいつまでも、その美しい月を見上げていた。

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杳覇(プロフ) - かんきさん» ありがとうございます! (9月1日 0時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
かんき - 白りゅうコメΓおもしろい (8月31日 23時) (レス) @page6 id: 1055dbe400 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 阿修羅さん» はじめまして。コメントありがとうございます! わ〜〜そうなんですか!? 恐縮です、ありがとうございます…! ご愛読頂けて本当に嬉しいです、これからも精進していきます🙇‍♀️ (2022年5月7日 20時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
阿修羅 - はじめまして!この小説とっても好きです。何回も読んでます。この小説作ってくれてありがとうございます(*'▽') (2022年5月7日 18時) (レス) @page9 id: fe9d7705f3 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます。三話にて記述しております。 (2021年7月11日 18時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラノ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/  
作成日時:2017年9月8日 18時

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