幽霊船で迷子になりました【浦島坂田船】

２人きり：２６話 ページ31

うら「はい、俺の部屋」


『前回も思ったけどホントシャンデリア綺麗だなぁ……』


うら「シャンデリア好き？」


『綺麗だから好き』


うら「そっか……ってお前、足元」


『え？』


下を見ると、そこにはキラキラと目を輝かせた狸がいた。


『あ、やまだぬちゃん。お久しぶり』


しゃがんで手を伸ばすと嬉しそうに舐めてくれた。そしてやまだぬちゃんはポーチをずっと見ている。


『Trick or Treatって事？』


私が聞くと、ぶんぶんと頭を縦に振る。私はポーチの中からお菓子を取り出すと、やまだぬちゃんに手渡した。


やま「♪」


嬉しそうにしたやまだぬちゃんに私は頭を撫でると、どこかへ行ってしまった。


うら「あー、下の階言ったな」


『あははw』


うら「………まぁこれでやっとゆっくり出来るな」


『そうだね』


うら「………２人きりの方が嬉しいし」


ふんわりとうらたは笑うと、私の頭を撫でてそっとキスした。


うら「そういえばさ」


『？』


うら「真奈ってキスする時緊張してるよね」


『…………うん』


うら「何で？」


『え”』


うら「答えて？」


『…………』


言える訳ない。………だってうらたがカッコよく思えちゃうから。なんて。


うら「……そうなんだ」


『?!』


うら「心の声、全部漏れてたよ？」


『嘘?!』


うら「ほんと」


『〜っ……///』


うら「かわいっ」


『っ……///』


私はこれ以上赤い顔を見られたくなくてうらたに抱き着いた。


『見るなっ…//』


うら「………あのさぁ真奈？もう少し男心考えて？」


『………え？』


うら「そんな赤い顔で抱きついてこられたら……俺、我慢出来ないよ？­」


『……っ?!』


うら「………恋人なんだから、いいよね？」


『……え、え？……うらた、待って』


流石に高校生となると、それ位の意味は解る。


うら「待てない。……キスはセカンド(2人目)だけど、それ以上はファースト(1人目)がいい」


『………っ…//』


うら「ホントは期待してるんじゃない？」


『…』


うら「いい加減正直になりなよ、真奈」


『……っ……、……やっぱ、待たないで……』


私が何とか言葉を絞り出すと、うらたは嬉しそうに、妖艶に笑って別の部屋にあるベッドに私を連れていき、ゆっくり押し倒された。


うら「……もう待ってやらないから」


『……うん』


深い口付けをして、私達はお互いの愛を確かめ合った。

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