カラコンして行っちゃうの? ページ39
茉琴と約束した日曜日の午後は1年生との親睦を深めよう会が開かれた
午前中は茉琴の言っていた通り部活で14時に京都駅に待ち合わせようということになった
『…久しぶりに出かける…』
姿見を見ながら1人呟く
服装はタイトな白ハイネックにキャラメル色のプリーツ、そしてスニーカー。
それだけではまだ寒く、黒い革ジャンも着た
「あら、その格好似合うじゃない〜!母さん久しぶりにAの私服見るわ〜!
目はやっぱり、カラコンして行っちゃうの?」
『うん、今の関係壊したくないからさ』
そう言って微笑んだ
『じゃあ行ってくるね、今日は多分遅くなるからご飯いらない。
沙燈(さほ)、母さんをよろしくね』
「あい!任せといて!」
『ん、お利口』
沙燈は母親の再婚で産まれた15歳下の女の子
「行ってらっしゃいA、気をつけるのよ」
『はぁい』
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愛生side
もう、奏ったら13時半には駅につきたいと申しましたのに服選びにどれだけかかってるんですの
「奏が遅いから13時半に着かないではないですか」
「悪いって言ってるやん!さっきからブチブチうるさいで愛生」
「っ!!いつもあなたの用意が遅くて遅刻しそうな私の身にもなってくださる?」
すぐ奏は口答えをしますの
だからいつも喧嘩になっては
「まあまあ、集合時間には遅れてないんだし良いじゃん〜。それに今日は先輩たちと初めてお出かけするのに私たち1年生が仲悪かったら申し訳ないよ〜」
こうやって礼舞が仲裁に入って収まることが多いのです
「…確かにそうですの」
A先輩と出かけたいがために協力してくださった茉琴先輩にも申し訳ないですわ
「それに30分前に着いて何するん?」
「それは…
深い意味はないのだけれど、早し良しと言うでしょう?
かと言って30分前はなかったわね、ごめんなさい…。先輩たちとお出かけできるのが楽しみでつい焦ってしまいましたわ」
「礼舞は愛生ちゃんのそう言うとか好きだから大丈夫だよ」
「まあまあそない落ち込まんでもええのに」
元はと言えばあなたが発端…
というのはやめておきましょう
また口喧嘩になってしまうので
そろそろバスが駅に着くはずなのだけれど
「確か京都タワー側の出口で待っといてと茉琴先輩が言ってましたよね?」
「言っとったな」
「京都駅広いし、茉琴先輩から連絡きてからで良いんじゃ…………あ…ああ……」
話の途中で呻き声を出した礼舞
「どうしましたの?」
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作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時