ありがとう ページ33
「………わかった。その代わり教師に口答えした罰として後片付けはお前がやれ」
…あ?
「ちょっとまて…」
-スッ-
Aが立ち上がる俺を制した
『わかりました』
「A!?」
「Aだって自分の仕事があるってーのに…」
『玲央、小太郎。
ほら行っておいで、試合始まるよ』
なんでそんな…
なんでそんな平気なんだ
肩を痛めたのは俺で、痛めたのも俺が素直になれないのが発端で
『根武谷、アイシングしとこ「あんたはなんでそんな俺たちに構うんだ…?」……』
「玲央も、小太郎もいつの間にかあんたと仲が良くなってる。教育係かなんだか知らねぇが俺らはあんたが嫌いだった」
『…』
「今さっきだって黙って俺を出しときゃあんたが罰を受けることはなかったのに」
『それはできない』
「え?」
『私のこと嫌いだろうがなんだろうが教育係である限り体調管理も含めて面倒を見るのが教育係の役目だと思ってるから。
根武谷は玲央や小太郎と違って身体が大きいし、必然と力勝負になってしまう。そうなれば体の故障も出てくる。
私らはまだ高校生で身体が上手くできてないから、壊せば永遠に壊れたままもありえる。
私はあんたら五将のバスケが好きだから、それを壊すようなら監督でも私は歯向かう』
この人は今、俺たちのバスケが好きだと言ってくれた
『小太郎や玲央を見てわかるけど、バスケを心底楽しんでるから。それを奪うようなことはあってはならないと思ってる。
もしあんたが肩壊したいって言うんなら監督に言っとくけど?』
ハッ……
「ひでぇな。誰も肩壊したいやつなんていないだろうよ、バスケ好きなら」
『じゃあ、黙ってアイシングされといて』
「いてぇ、もっと優しくしてくれ」
俺はこの人のことを悪く思いすぎていたんだな
「すんません先輩」
『Aでいいよ、小太郎も玲央もそう呼んでるし』
「お、おう。Aすまなかった。俺はあんたをどうも勘違いしていたようだ」
『いいよ、思春期なんだって多めに見とくから』
「A、後片付け俺も手伝う」
『いや、あんた肩壊してるから。
玲央と小太郎に手伝ってもらおうかな〜』
「あいつらなら喜んで手伝いそうだな。
なんてったってお気に入りのA頼みだからな」
『ちゃっちゃと終わらせてマジバ行こうよ永吉』
…!
「ある程度は手伝うぜ」
『ありがとう』
根武谷side 終わり
過去編終わり
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作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時