肩、痛くない? ページ32
根武谷side
-ズキッ-
俺の右肩に少しの異変。
それは練習試合の最中で俺が相手ゴールにダンクをきめた時だった
タイムを取るほどのことではないと思ったが
このままやればきっと肩を壊すだろう
--でもまぁ、終わりゃ飯たくさん食えば治んだろ--
「白チーム、タイム!!」
--誰かミスったのか--
洛山はミスをしない限りタイムを取らない
ミスをしたものは当然ベンチに下げられる
『根武谷、ちょっといい?』
あ?俺?
なんかミスしちまったか…?
『こっち来て』
「お、おう」
ダンクもちゃんときめた
サボってるつもりもねぇ
じゃあなんだ?
『肩、痛くない?』
「!?」
「え、永ちゃん肩やっちまったの?!」
「永吉、もしかしてさっき…」
「
「ちげぇ。なんもなってねぇ」
肩の違和感は試合前のアップの時から感じていた
どうせ弱い相手だし、本気を出すことはねぇと思ってた
だから言わなかった
だけど
"「A〜!俺がその荷物持つよ!」"
"「A、底段差あるから気をつけるのよ?」"
2週間前からあいつらがあの人を名前呼びしていた
いつの間に仲良くなったんだ、と
自分が素直になれないのと仲間外れにされている感じがしてイライラしていた
その時にこの肩の痛み
試合が始まってからもイライラが収まらなかった
もっとイライラが募って今日はするつもりがなかったダンクをした
先程より明らかに痛みが増した
それからの今だ
『肩痛いのはいつから?』
「…」
『いつからだ』
何故か素直になれず言いたくなかった
「永ちゃん、いつからなんだ?」
「そうよ、痛めているなら言ってくれればよかったじゃない」
「っ…」
さっきより酷くなった肩の痛み
『監督、次の試合根武谷はベンチで休ませます』
「そんなに酷いのか?
肩、そんなに痛いか根武谷?
もしお前が出来そうなら出てくれ
これはお前ら1年を見るための練習試合だ」
俺ら1年を見るとか言って俺が抜ければセンターできるやついねぇ
だから試合に負けないためにも俺を残しておきたいんだろうよ
「わかりました、出ま…」
『無理させて取り返しのつかないことになればこいつはもうバスケ出来なくなる
そうなる前にベンチに下げるべきです』
「でも、根武谷がいなければ中はガラ空きで点が入り放題だぞ」
『勝つことは大事かもしれません
だけど選手の体調を優先するのも指導者として大切なことではありませんか?』
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作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時