好きになってしまったらしい ページ44
夢主side
「はい、タオル」
『ありがとう』
赤司から貰ったタオルを受け取り頭を拭く
「親御さんには電話したかい?」
『あ、うん。連絡しといた』
もともと茉琴たちと遊ぶって知ってたから心配はされなかった
雨が弱まったら帰ると連絡をしたら
[お邪魔するお宅に迷惑がかからないようにね?]
ぐらいのまぁ至って普通の返信が来たからほっとした。
にしても赤司の家は広くて物が最小限の物しかなくて
--ほんとだだっぴろい…--
「A」
『ん?どうかした?』
「コーヒーしかないんだが、飲むか?」
『うん、ありがとう。頂こうかな』
気遣いもしてもらって申し訳ない
服乾いたらさっさと帰ってしまおう
「はい」
『ん、ありがと』
砂糖…ミルクもない
ブラックか
「…っぷ」
『…?』
「はい、砂糖とミルク」
なんでわかったんだろう
「テーブルの上を見てたからね」
『…別にブラックが飲めないわけやなくて、その』
「いいよ。甘党なんだろう?」
…それも知ってるのなんで
『ありがとね』
それから無言が続き話を切り出すにも話題がない
最近はほんとに他愛もない話をしないことが多く
どのように接していいかわからない
--気まず--
「A」
『っ……』
「?」
『ごめん。何?』
「僕はこの1週間一つのことだけを考えていた」
『…』
「避けているように感じさせてしまったのはそのせいかもしれない」
--なんで避けられてるって思っとるって知ってるんやろ--
考えていると
「玲央から聞いたんだ」
と少し悲しそうにこちらを見て言う赤司
『あ……玲央言っちゃったんだ』
一度こちらを見て正面に目を向けた
「僕はAを
好きになってしまったらしい」
赤司の口から出た言葉は衝撃的な言葉だった
『え………?』
赤司から次の言葉を聞くまでは頭が働かなかった
137人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時