【おそ松さん】アリス捕獲計画。【マフィア松】【完結】

episode…37 ページ39

前回のあらすじ

白兎とチェシャネコ戦は勝利。
引き換えにAの右足を負傷。
そして残るマッドハッターは生け捕りにプラン変更。

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生け捕り命令の出たマッドハッターは一人になってもなおも顔色を変えない。

「Aごめん!!もっとタイミングみれば…!!」

「ごめん…、ほんとごめん…!!」

「気にしなくていいって、私が悪いんだし。」

Aの怪我もカラ松の怪我も深刻だ。

それなのに病院に行けないのだからつらい。

一刻も早く応急処置をしなければならない。

俺にかかってると思うと吐き気がする。

「なにも怪我をさせるなといってるわけじゃない、怪我はさせてもいい。殺すな。」

「難しいから…。」

「いいですか、おそ松さん。

腕、肩、足を狙うと比較的死なないです。」

頭のなかに直接響くような上司の声。

ゆらゆら揺れるマッドハッターをまだ撃ってはいけない。

人間離れした脚力でこちらに突っ込んでくる。

はっきり言って逃げたい!!

殺される!!

無理!!

かたかたと銃を持つ手が震える。







俺は一瞬もマッドハッターから目を離さなかった。

離せなかった。

「…。」

「…おそ松さん、確保。」

「あ、はい。」

倒れているマッドハッター。

マッドハッター周辺に7色のバラの花びらが散らばっている。

バラの花びらに足をとられたのだろうか。

近寄って確保しようとすると首を絞められる。

腰の辺りに手を伸ばしてナイフを取りだし力任せにふり下ろした。

それを見てAが寄ってきて一言。

「最後がそれとかだっせえ。」

マッドハッターはなにもしゃべらなかった。

「せーぜー一人寂しく罪を償え。」

町の遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。

「…、どうせ逃げないだろうし警察に顔を見られてもだめだしずらかりますよ。」

最終決戦にしては味気なくそしてなんともカッコ悪く終わった。

俺にはどうしてもマッドハッターが殺されに来たようにしか見えなかった。

「…すいませんねえ、ハートの女王、チェシャネコ、白兎、アリス。

どうやら…悪いことはするものじゃないようです。」

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