163話 ページ27
「かわいそうに⋯」
「若いのに⋯」
「死んでしまうなんて」
ヒソヒソと喋っている影をナイフでスパッと切っていく
ワタシの願いは役割を果たすこと
病気はどうせ治らない
できることはひとつだけ
かつての四島メイがあの絵を完成させ寄贈を望むより前に
彼女を殺してワタシは"ワタシ"を抹消する
メ「⋯」
シ「⋯!」
私はナイフを勢いよく振りかざす
貴「メイちゃん危ない!」
メ「あ⋯きゃ」
椅子がぐらついてワタシが倒れ込む
貴「大丈夫!?」
メ「いたたた⋯なんとか⋯あなたは。私と同じ顔。あなた誰⋯?」
シ「⋯ワタシは虚構。夢。そして怪異。ワタシはずっとアナタに謝りたかった。ごめんなさい四島メイ」
メ「?」
シ「ワタシは役割を果たせなかった。アナタを守るために生まれてきたのに」
ー回想ー
メ「課題は塔かぁ。ん〜なんの塔にしようかなぁ⋯あ、そうだ!この塔はアトリエ。この中には"もしも"の私がいて元気で絵を描いて」
私はそう言いながらキャンパスに形を作っていく
メ「よぉし!そういうことにしちゃお!絵のでくらい愉快にやりたいですしぃ。⋯ねぇ、そっちの世界は楽しいですか?」
描いた絵に耳を当てて尋ねる
メ「って今私が描いてるとこで〜す!」
コロッと筆が転がり落ちる
メ「あ⋯筆が⋯痛っ!」
私に繋がっていた点滴が引っ張らってチクッと痛みが走る
メ「こっちの世界の私、ちょっ病気なんですよねぇ。だけどきっと元気になるからそれまで私の代わりにあなたが絵を描いてくれませんか?」
私はキャンパスに描いた塔の絵に向けて喋りかける
メ「そうしたら頑張れると思うんです。なんて⋯変ですねぇ独り言なんて」
シ「⋯いいですよ。あなたの代わりに描いてあげます。だから大丈夫です」
メ「はい!⋯ってあれ?私は何に返事を⋯」
ーシジマメイside endー
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癒秘松(プロフ) - 面白いです!頑張ってください! (2020年2月15日 21時) (レス) id: 362f189d15 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 続きが気になる! (2020年2月10日 1時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
むゆな - 続きが気になる!変更頑張ってください! (2020年2月2日 23時) (レス) id: 5be02e72aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2020年1月31日 19時