司「君の特等席…俺に変更しない？」肆 (ページ26)

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162話ページ26

ジジマメイside

＿＿＿それは

誰がはじめに言い出した事だったのかもう分からない

「ねぇ知ってる？この絵を描いた子って卒業前に死んじゃったんだって」

「ウソー知らなかったぁ」

「可哀想だねー」

「ねぇ、その子はどうして死んじゃったの？」

「⋯しらなぁい」

「病気？」

「事故とか？」

「事件かも！」

「もしかして自ら命を絶ったんじゃない？」

「わーありそう！」

「親に進路反対されたとか？」

「この絵もなんか怖いね」

「芸術家は病んでる人多いって」

「それってこれの絵の⋯ねぇ、最近美術室に幽霊が出るって」

シ「⋯」

気がつけばささやかな亡霊だったワタシは

七不思議の席にいた

描いた絵という虚構の世界

そこに生者を閉じ込めてしまう怪異

美術室のシジマさん

メ「⋯」

絵なんて大っ嫌い

そう思ってきた時

司「だったらやめちゃえばいーのに！」

シ「帰ってください」

司「わー」

シ「あなたと関わるとろくな事がない。何しに来たんですか。三番のことは聞いてますよ。ワタシの心臓でも必要ですか？」

司「えー。そんな事しないよ。今日はね、お願いがあって来たんだ」

シ「⋯」

私は無視して絵を描き続ける

司「"絵"を1枚描いてよ。四番。どーせ書くのやめられないんでしょ？」

シ「⋯」

私はキャンパスに自分の絵を描いて分身を出した

分身「きゃ！」

司「お？」

シ「分身です。意識は共有しているのでそちらとお話をどうぞ。あなたと直接話すのは疲れます」

司「へー分かった」

分「そっそそそそんなぁぁ！私だって嫌なのにぃぃ！！」

こうして今の虚構の世界は作られた

シ「はぁー」

絵なんて大っ嫌い

だけどもうどうだっていい

ワタシは何も望まない

何にも手を伸ばさない

何にも逆らわない

私の願いはもう叶わないから

虚構の世界では現実では叶わないどんな願いだって表現出来る

なんてくだらない

くだらない

くだらない

くだらない

くだらないくだらないくだらない

夢を見たって現実は変わらない

虚構は現実を変えられないのに

シ「はぁ」

"知ってる？この絵を描いた子。卒業前に＿＿＿"

シ「"わたし"もあんな絵描かなければ良かったのに。」

あの絵がなければ噂は生まれず"美術室のシジマさん"も生まれることなかった＿＿＿

司「君の願いを叶えてあげる！」

シ「⋯」

ワタシの願い？

ワタシの願いは＿＿