司「君の特等席…俺に変更しない？」肆 (ページ28)

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164話ページ28

シ「ワタシは＿＿あなたの望んだ理想のわたし。あなたの描いた一枚の絵。生きるためにあなたはワタシを生み出した。だけど虚構は現実に変えられない。ワタシはアナタに教えなかった。そればかりか」

"自ら命を絶ったんだって"

シ「歪んだ噂の種になって。許せない。こんなこと。ワタシの願いはアナタを守るという役割を全うすること」

グッと握っていた手に力を込める

貴「メイちゃん！」

そのまま勢いよくテーブルに体を押し倒す

メ「っ！」

シ「どうせ救えないのならせめて。あの噂にワタシという虚構にアナタを害させない。ワタシはアナタの真実を守ります」

メ「あなたが私の描いた絵？わたし、死んじゃうんですか？」

シ「ワタシはアナタの苦悩を知っている。不安を恐怖を眠れない夜もそばにいたから。それでもアナタは懸命に未来を信じて笑っていたけれど望む未来は来ない。アナタは死ぬんです」

貴「やめて！やめて⋯やめてよぉ。どうしてそんなひどいこと言うの！？」

ドンッ

貴「きゃ」

シ「理解して頂けなくて結構です」

貴「⋯」

シ「言葉を尽くしたところでどうせあなたは納得しない。怪異と生者がわかりあうことなんてないですから。ワタシは」

"俺が"

シ「彼女を救わなくては」

"Aを助けてあげる"

貴「！」

あ⋯

その言葉の後にシジマさんがナイフをメイちゃんに向ける

貴「だ、ダメ！」

ドスッ

間に合わないと思ってぎゅっと目をつぶって

恐る恐る目を開けると

メ「やー危ない危ない」

貴「メイちゃん！」

良かった！

シ「チッ」

メ「えいっ！」

今度はメイちゃんがシジマさんの喉の横スレスレをナイフで刺す

シ「！」

メ「あなたってなんだかぁ。私の事⋯すごく好きみたいでますねぇ」

シ「⋯は？」

ピシッ

音を立てて天井にヒビが入る

メ「！」

貴「な、何！？」

メ「Aちゃん行きましょう！」

貴「メイちゃんんんん。殺されちゃうかとおもった」

メ「泣かない泣かない」

シ「どうして！どうして逃げるんですか！？アナタのためのワタシなのにどうして拒むんですか！？ワタシは⋯⋯」