夜咄ディセイブ.1 ページ40
前を歩く新入団員のコノハとヒビヤ君。僕の右側を歩くセト。
「ねぇ……おじさん、そろそろ帰っていい?帰るっていうか、まぁアジトなんだけど…。眠気が……」
後ろを振り向き際に話す眠たそうヒビヤ君を、心配そうに見つめるコノハ君。
「うん……そろそろ帰らないと、うちのおっかな〜い団長が殴ってくるしね〜」
「それはおじさんだけだと思うけど」
適切な突っ込みをするヒビヤ君。
あぁ……ほんっと…。
………誰も気付いてくれないや…。
「いだっ!!」
突如として、みぞおちに突きが入る。
「何……ってセト……?急にほんとに何さ……」
「カノ……そんなに誤魔化さなくたっていいっすよ」
頬に残った涙の跡を腕で拭って、前に向き直った。
「別に……何も隠してないよ?」
「それならいいっすけど……なんかあったら相談するっすよ」
その言葉に言葉が詰まる。
セトは……前に言ったじゃないか。
『みんなの本音が聞こえるかもしれない』
『だから怖い』って。
姉ちゃんも「相談してくれていいよ」なんて言ってくれたけど、できるわけないじゃないか。
皆変わったんだ。
あの時から何も変わってない、僕を置いて。
「うん……何かあれば相談するよ」
そうやって、僕は欺き隠して、大嫌いな赤い目をも隠した。
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豆腐ちゃん - あさんそれは誰に向けてですか? (2023年3月22日 19時) (レス) @page19 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
あ - し、ね (2017年6月27日 14時) (レス) id: 350e8504f6 (このIDを非表示/違反報告)
矢野 ユリ - 頑張ってください。イラスト描こうかなぁと思うけど、やり方わかんないです。 (2017年3月31日 7時) (レス) id: 053764a0db (このIDを非表示/違反報告)
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