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*

 「二人とも良かったね。これからはよろしく頼むよ」

 井上さんが云ってくれた。
 私たちも、よろしくお願いしますと云った。

 「なあ、源さん。女子となれば、ここのような男所帯では申し訳ない気もするんだが……」

 「ええ。そうですねえ。これはちょっと困りましたな……」

 近藤さんの言葉に、井上さんも考え込んだ。
 確かにそうかも知れない。
 私は、物心ついた頃から父様と刀剣たちと暮らしてきたから、男所帯の方が馴染みやすいのだけれど……千鶴はどうなのだろうか。

 斎藤さんが口を開く。

 「不便があれば云うといい。その都度、可能な範囲で対処しよう」

 千鶴がお礼を云った。

 「ま、まあ、女の子となりゃあ、手厚くもてなさんといかんよな!」と"新八っつぁん"。

 「新八っつぁん、女の子に弱いもんなあ……。でも、だからって手のひら返すの早すぎ」と藤堂さん。
 私もそれには賛成だった。

 「いいじゃねえか。これで屯所が華やかになると思えば、新八に限らず、はしゃぎたくもなるだろ」と"左之さん"。
 千鶴はともかくも、私が華やかに出来るのだろうか……。

 「とはいえ、彼女らをここで女性として扱うのは難しそうです」と山南さんが云った。

 「刀剣たちはともかく、彼女らを隊士として扱うのもまた問題ですし、処遇は少し考えなければなりませんね」

 「なら、誰かの小姓にすればいいだろ?」と土方さん。

 「近藤さんとか山南さんとか――」

 すると、「やだなあ、土方さん。そういう時は、云い出しっぺが責任取らなくちゃ」と沖田さんが云い、「ああ、そうだな。トシの傍なら安心だ!」と近藤さんが云った。

 「そういうことで土方くん。彼女らのこと、よろしくお願いしますね」

 「……てめぇら、勝手に決めてんじゃねえ!」

 土方さんは少し怒ったように云ったけれど、何はともあれ、如何やら居所が出来たようだ。

 ――良かったね、みんな!

 ――ばぁか、聞こえねえよ、あいつらには。

 ――いいじゃんいいじゃん。
 このくらい喜ぼうよ、兼さん。
 それに兼さんは、あの子たちと一番長くいることになるんじゃない?
 いーなー。

 ――おい、そりゃあ国広もだぞ。
 なあ?

 ――そうだね、兼さん。
 ふふ、楽しみだなあ。

 また聞こえた、楽し気な会話。
 一人は堀川国広と云うのか。
 それから、加州と兼さん。

 物吉の幸運の力は、思ったよりも強いらしかった。

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Chris(プロフ) - 魔導士カリナさん» コメントありがとうございます! 文体好きって言って貰えてすごく嬉しいです。応援……?! もうありがとうございますの一言に尽きます……。 (2017年4月3日 7時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)
魔導士カリナ(プロフ) - Chrisさん!イベント参加、ありがとうございました!私が言って良いのか分かりませんが...私、Chrisさんの文体とか凄く好きなんです。もしよろしければ、これからも作品を応援させていただいて宜しいでしょうか...? (2017年4月2日 23時) (レス) id: 0cf79671fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Chris | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年3月27日 20時

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