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 「けどよ、こればっかりは大義のためにも内密にしなきゃなんねぇことだよな」

 "新八っつぁん"が云った。

 「新撰組の隊士は血に狂ってるなんて噂が立ちゃあ、俺らの隊務にだって支障が出るぜ」

 血に狂う……、か。

 土方さんの顔が渋くなった。

 「おい、言葉を慎め。俺は【士道に背いた隊士を粛正した】と云ったはずだぞ」

 「でもまあ、どっちみち見たことは変わらないんですけどね」

 沖田さんが云った。

 「総司の意見にも一理あると思うが、……ま、俺は土方さんや近藤さんの決定に従う」

 「……オレは、逃がしてやってもいいと思う。こいつらは別に、あいつらが血に狂った理由を知っちっまった訳でもないんだしさ」

 "左之さん"と藤堂さんが、それぞれ意見を述べた。
 そこで千鶴が、「血に狂う、理由……?」と云ってしまったのがいけなかった。
 私たちは知っているけれど、絶対にそんなことは云えない。
 薬研も、固く口を閉ざしていた。

 「平助。……余計な情報をくれてやるな」

 「……っと、ああ、悪い」

 土方さんの言葉に、藤堂さんは軽く返事をした。

 「あーあ。これでますます、君たちの無罪放免が難しくなっちゃったね」

 沖田さんが楽しそうに云った。

 「男子たるもの、死ぬ覚悟くらい出来てんだろ? お前らも諦めて腹くくっちまいな」

 "新八っつぁん"が云った。

 ……ん?

 「おい大将……こいつら、あんたと千鶴を男だと思ってるぞ」

 薬研が囁いた。

 「……です……よね」

 私も囁き返す。
 如何やら、男装は思ったよりも上手くいっていたようだけれど……この状況でそれは喜べない。

 「確かに、潔く死ぬのも男の道だな。……俺も若い頃は切腹したし」

 「左之の場合、まだ生きてるけどな」

 "左之さん"の言葉に、"新八っつぁん"が突っ込んだ。

 「信長さんも、自害して果てたな……」

 薬研が呟いた。
 そう云えば、粟田口兄弟の多くはその多くが本能寺や大阪城で焼けて果てたのだった。

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Chris(プロフ) - 魔導士カリナさん» コメントありがとうございます! 文体好きって言って貰えてすごく嬉しいです。応援……?! もうありがとうございますの一言に尽きます……。 (2017年4月3日 7時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)
魔導士カリナ(プロフ) - Chrisさん!イベント参加、ありがとうございました!私が言って良いのか分かりませんが...私、Chrisさんの文体とか凄く好きなんです。もしよろしければ、これからも作品を応援させていただいて宜しいでしょうか...? (2017年4月2日 23時) (レス) id: 0cf79671fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Chris | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年3月27日 20時

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