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蘭方医の雪村家の隣に、我が家――
雪村家の一人娘、千鶴は私よりも二つばかり年上だったが、私たちは分け隔てなく付き合っていた。
時々私が熱を出そうものなら、すぐさま雪村家に担ぎ込まれた。
私たちは成長して、千鶴は
千鶴は近所の道場に通い始め、剣道を学ぶようになった。
――私、護身くらいなら何とか出来るようになった気がするの。
半年ほど経った頃、千鶴はそう云った。
私も通い始めたのだけれど、どうにも上手く出来ず、
道場通いを止めてからさらに三月経った頃、父様は私に三振りの刀を下さった。
鶴丸国永と薬研藤四郎と今剣。
どの刀も昔馴染みなので、私は本当に嬉しかった。
外出する時はいつも、薬研と今剣は懐に入っていたし、鶴丸は腰に差してあった。
家に帰ると、三振りはみな人の形になるのが常だった。
父様は日頃の無理が祟ったのだろうか、病に倒れてしまわれた。
三振りを除き、刀が刀剣部屋から出されることはなくなった。
どのお医者様も、一様に首を振った。
これは助からない――死病だ、と。
雪村さんも時々見舞いに来て下さった。
千鶴は、しばしば私を夕餉に呼んでくれたものだった。
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Chris(プロフ) - 魔導士カリナさん» コメントありがとうございます! 文体好きって言って貰えてすごく嬉しいです。応援……?! もうありがとうございますの一言に尽きます……。 (2017年4月3日 7時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)
魔導士カリナ(プロフ) - Chrisさん!イベント参加、ありがとうございました!私が言って良いのか分かりませんが...私、Chrisさんの文体とか凄く好きなんです。もしよろしければ、これからも作品を応援させていただいて宜しいでしょうか...? (2017年4月2日 23時) (レス) id: 0cf79671fa (このIDを非表示/違反報告)
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