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ピタリと動きを止め、彼の言葉に何を感じたのか何処と無く焦りを浮かべる緑の彼。
それは仲間に見られた事への焦りか、それとも
赤「みーんなリビングに居るのになんでチョロちゃんだけ居ないのか気になったのよ。
で?仕事してんのかと思って部屋に行ってみれば蛻の殻。アジト全体探してみたけど居ないし。
ついでにそこの子の様子も見ようかと思って来てみればなーんか面白そうな事してんじゃん。」
握られている銃が微かに震えている。
俯く彼の頬にタラリと汗が流れる。
赤「ねぇ、チョロ松。」
コツコツと上品な靴音を鳴らし、ドアから離れゆっくりと近付いてくるそれはまるで
悪魔のようだった
赤「saffronFamilyのアジトから帰る時、車ん中で言ったよな?手ェ出すなよって。聞いてた?」
赤の彼は緑の彼に握られている銃をチラリと見る。
赤「まぁ〜立派に銃向けちゃって
すっげぇよお前。兄弟とはいえボスでもある俺の指示対象に銃向けるなんて。いい度胸してんな」
全く力の入っていない緑の彼の手に握られている銃は呆気なく取られてしまった
銃口が緑の彼に向けられる。当の本人は予想外の出来事に驚きと恐怖が滲み出ている。
スライド音が響く。あとは引き金を引くだけ
赤「これ、お前に撃ってやろうか。」
いよいよ緑の彼は自分の危機を悟ったのか、真っ青な顔で口をハクハクとさせる。
赤「ちっさいミスならまだしも、上のモンの命令を無視して此奴を殺そうとしたならチョロ松。」
お前は此処に必要ない
・
赤「なぁんて、冗談冗談。そんな事したら俺アイツと一緒になっちゃうじゃん、やらないってば!」
なははという笑い声と共に無邪気な笑顔の彼。
果たしてそれが真実なのかは、彼以外知らない。
緑の彼も思わずほっとしたのか顔色が良くなっている。
たった一人なのにも関わらずあれだけの殺気。
構成員の多いsaffronFamilyが松野ファミリーに敵わなかった理由が今なら分かる。
きっと彼1人が優れているのでは無いだろう。恐らく他の構成員達も…
そして銃を向けられていた彼も。
赤「じゃあチョロ松、この子も目が覚めた事だし俺は色々話す事があるから。仕事に戻ってね」
悔しげな顔ながらも彼は急ぎ足で部屋を出る。
バタンと少し強めのドアの閉まる音がした後、ようやく静寂が訪れる。
「さぁてと、暁月ちゃん。俺とお話しよっか」
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華奈(プロフ) - ハマりました!応援しています!!!!!!!!!!!!!!! (2017年11月14日 20時) (レス) id: b942457534 (このIDを非表示/違反報告)
★★ - 続き気になるぅぅぅ( *´艸`) (2017年7月21日 20時) (レス) id: d7fe2bc884 (このIDを非表示/違反報告)
ぽかり松(プロフ) - ああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!続きがきになりますぅぅぅ!!!!!!!!!! (2017年6月23日 21時) (レス) id: 9fe97257d8 (このIDを非表示/違反報告)
雪降 - すんごい面白いです!楽しみです! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 70e4d98350 (このIDを非表示/違反報告)
苺iu - おおお面白すぎる! (2017年1月31日 13時) (レス) id: 493df71fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2016年9月2日 20時