理想のままで【HQ】

畳み掛け ページ27

「んじゃ。」

「うん。」


学校について、まず学年が違うクロと別れた。
そして研磨と2人になる。


「じゃあ。」

「…うん。」


クラスが違う研磨と更に別れる。
そして、1人になる。
孤独の暗さに引っ張られて、気持ちが暗くなりそうになる。


ひと呼吸付く。
明日から休む。
今日は頑張る。


今日だけ、今日だけ。

よし…行こう。



ただ、そう思って気合を入れたものの。


…昼休みまで、何もない。

それに気がついた瞬間、なぜか背筋が凍った。
まるで見られてない所で噂をされていると言うか、睨まれているような…。

この授業が終われば昼休み。
長い休み。




学校中に響く、チャイムの音。


先生が、教室からいなくなる。


先生の足音が遠くなる。


男子バレー部だとか、バスケ部だとかが体育館目指して廊下に飛び出す。


廊下が、騒がしくなる。





そして。


何も、見えなくなった。

目が、痛んだ。



「ケーキ用意し忘れたから、明日もね」



と、耳元で言われる。

くしゃみが止まらない。

涙が止まらない。



止まらなさすぎて、息がしにくい。



今、何が起こっているのか全くわからなかった。



そして、涙が止まらない中椅子が斜めに傾いた。

ぼやける視界で、どっちが上かだけでも見つけようとした。


でも無理だった。


床に落ちた衝撃で、肺にある空気が出たのがわかる。


畳み掛ける様に、



「A〜」



と、クロの声が確かにした。

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