→続 ページ17
「たのもー！」
やって来たのは隣の教室。
道場破りのような勢いで扉を開けるとクラス中の視線を集める。
ぐるりと見渡すと、教室の後ろの窓側の席にそいつは机に顔を伏せて寝ていた。
チャンス！
すぐさま奴に近寄り、金髪の悪魔から借りた魔法のアイテム「リード付きの首輪」を取り出した。
これは主にグルッペンから逃げる際に私に付けられる呪いのアイテムだが、まさかこんなところで役に立つとは！
ガチャガチャと音を立てながら、眠るこいつの首に装着する。
「ぐえぇっ！」
ちょっと力が入りすぎてしまったのかカエルの潰れたような声を上げる狂犬チワワこと、コネシマ。
かの偉い人は言いました…。
犬がいないなら近い奴でいいじゃない、と。
「ゴホっなんや！誰や首絞めたのわ！」
「私よ。」
「おまっ！なんやねんこれ！」
「これはそうね、さながら私の恋のお助けアイテムというところかしら。」
「意味分からんわ！」
ガチャガチャと首輪を外そうとするコネシマ。
ふふん無駄よ、そんな簡単に外れるようなら私もあの悪魔から逃げられてるからね！
「あーAちゃん、そういうプレイを学校でするのはどうかと思うわ。クラスの皆ドン引きしとるで。」
人混みの中から浮浪者のようなオーラで近寄るうっつん。
金髪の悪魔からクズその１と名付けられたそいつはコネシマのクラスメイトであり我がソウルメイト。
ちなみにクズその２とは私の事である。
「うっつん！私ついに運命の相手と出会ってしまったの！これからは彼と共に生きて行くから！あの悪魔のことはうっつんに任せたゾ！」
「いや意味分からんから、絶対嫌やし。」
「ソウルメイトのうっつんだから教えてあげるね、とりあえずハンカチ用意して聞いて。」
「俺ハンカチ持っとったかなぁ…あ、ゴムならあったわ。」
「とりあえずこの首輪外さんかい！」
高校生のズボンのポケットからゴムが出てくるなんて、さすがはクズその１うっつんである。
ぎゃあぎゃあと騒ぐコネシマはとりあえず無視して、聞くも涙…語るも涙…と演劇口調のナレーションから私とらんらん様の出会いを語る。
「というわけで、らんらん様の心を掴む為のアイテム、犬を捕獲したところよ！」
「おー！やるやーん！」
「誰が犬や！」
ヒートアップした語りについつい机の上に立ち拳を握る私に、うっつんはパチパチと拍手を送ってくれた、さすが我がソウルメイトである。
相変わらずコネシマは吠えていたけどやはり無視した。
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ひとちん(プロフ) - NORTHさん» NORTHさんコメントありがとうございます！初めてのギャグがもはや黒歴史になっていたところでそのお言葉…嬉しいです…！よければ短編集2の方もどうぞよろしくお願いします！あそこまでぶっ飛んだギャグはありませんがww (2017年10月29日 19時) (
レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
NORTH(プロフ) - 突然ですが初コメ失礼します！ひとらんの回の主人公が面白すぎました…あれですね、貴方様はギャグセンもあるんですね！すごいです！リスペクトです！頑張ってください！(語彙が…無い！) (2017年10月29日 19時) (レス) id: ecb1a421ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - ひとちんさん» こちらこそ(*´▽｀*)これからもよろしくお願いいたします！ (2017年10月8日 16時) (レス) id: cb678ab533 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ヒメ＊さん» ヒメ＊さんコメントありがとうございます！最近更新サボってますが頑張って更新するので気長にお待ちいただければと思います！感想下さってありがとうございました！これからもよろしくお願いします！ (2017年9月10日 18時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - こんにちは！いつも読んでいます！『総統の愛した甘味屋さん』を読ませていただきました！ひとちん様の書く小説は本当に素晴らしいな、と心から思いました！応援しています！これからも頑張って下さい(*^O^*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
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