検索窓
今日:6 hit、昨日:83 hit、合計:396,285 hit

+++++ ページ21

.


ぬらりひょんは一人でそんなことを言い出す



「…………Aは、あっちで元気にやっとるかのう?」



私は自然と上がる口角に気づきながらもぬらりひょんに気づかれぬよう足音と気配を消して背後へと近づく



ぬらりひょんとの距離は約数メートル



「あまりにもお前たちの馬鹿さ加減がが気がかりで、私はこの世に戻ってしまったわ」



ぬらりひょんの一人でごちた問いかけに私は勝手に答える
ぬらりひょんはそれに少しビクリとしつつ、聞こえた私の声に固まった



「この町は随分と変わったな。
時代が変われば、生きる人も環境も変わるのは致し方ないことだろう?
なぁ、ぬらりひょん」



彼が、信じられないといいたげに目を見開きながらゆっくりと振り向いた
それに私はただ笑みを浮かべる



「…………A…………?」



振り向いたぬらりひょんは、流石は生粋の妖怪
私が亡くなった頃とほぼ変わらん
少し老けたようにも見えるが誤差みたいなものだろう



「数百年ぶりだな、ぬらりひょん」

「な、ぁ………」



ぬらりひょんは私をしっかりと頭で認識できたのだろう
彼は泣きそうな顔をすると一瞬でこの数メートルの隙間を埋め私を強く抱き締めた



「A……!!」

「…………ああ、お前の匂いがする」



ほんのりと香る、煙草の香り



「A…本当にAなのか!?
なぜ、いや、そうじゃなく、いや、ああ!!
頭がこんがらがる!!」

「ふふ、そう慌てずともいい」



私は私の体に回るぬらりひょんの手を一つ取り、それを私の胸に当てる



「私は幽霊などではないぞ。
ほら、鼓動を感じるか?私は、生きているぞ」

「…………あ、ぁ………ちゃんと力強く、脈打っとるの」



あんたらしい、強い鼓動じゃ。
そう言って、また泣きそうな顔で笑った



ぬらりひょんはまた強く私を抱きしめてしばらく動かなかった
私は腰と頭をぬらりひょんの腕で固定されているため動ける訳もなくただされるがまま



「………もう、いいか?」

「…ああ。あんたがここに居るってまだ信じられねぇがちゃんと、ここで生きてる鼓動を感じれたから、まぁ、取り合えずはいい」



離れていく腕に、少しだけ寂しく思う私も私だ



.

+++++→←愛しきヒトよ─夢主side─



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (245 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
598人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - printemps(プランタン)さん» そうなんです。一応最強設定ではありますので…^^; (2020年5月21日 15時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しろくまさん» ご期待に添えたようでよかったです(*^^*) (2020年5月21日 15時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - もう知ってるけど、夢主最強説 (2020年5月17日 10時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま - 更新ありがとうございます!わぁ(*´▽`*)リクにお応えして下さりありがとうございます!めちゃくちゃ面白かったです笑 鴆様流石ですし、狒々のなんとも言えない子供感がたまらなかったです!楽しみに待ってます!更新頑張ってください! (2020年5月16日 20時) (レス) id: 4a9ec96a98 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 木乃伊さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2020年5月16日 19時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年3月21日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。