【ぬらりひょんの孫】糸繰草 弐【初代】

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「鯉伴様？総大将に何をそんなに要望など…」

「カラス…まぁなんだ
会わせたい人にみすぼらしい親父見せらんねーっつーか」

「鯉伴様がそこまで総大将に会わせたい方ですか」

「ああ」



俺ァ便所行ってくらぁ、と鯉伴はそのまま家の奥へと向かった
































それからほどなくして、鯉伴とぬらりひょんはとある場所に来ていた



「…懐かしいのう。ここは昔からよう来とった」



ぬらりひょんは優しく笑いながら言う
ここは山の上でそこからは浮世絵町が一望できる
そこでは昔からぬらりひょんがAとの"でぇと"でよく来る場所でもあった



「眺める街並みは随分と変わっちまってるが、やっぱりここから眺める町はええの」

「俺もここからの眺めは好きだぜ」

「…ここがそのお前の会わせたい奴ってとの待ち合わせ場所なのか？」

「ああ」

「なんだってここなんだい」



ぬらりひょんにとってはここは特別な場所
数百年前に先に逝ってしまった愛する妻との思い出の場所なのだ



「俺の会わせたいって思ってる人にとってもここが特別な場所だからだな」

「…ここはあんま人にゃぁ知られてねぇ場所なんだがなぁ」

「知ってる人も僅かにいるってことだろ」



鯉伴はそろそろか、と思いその人を連れてくるといいぬらりひょんをその場に残しそこを後にした









(…今日はいい天気じゃのう)

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