第38話。過去編* ページ8
「ありがと高尾君、もう大丈夫」
とん、と軽く高尾君の胸板を押す。
掌に湿った感触。
…本当、迷惑かけっぱなし。
高「おー、ちょっとは楽になった？」
「うん、シャツごめんね」
高「気にすんなって！」
暑かったから、涼しいくらい。
なんてシャツを摘みぱたぱた音を立てる。
「高尾君、本当イケメンすぎない…？」
高「えーっ、可愛い子にそんな事言われたら和成照れちゃうっ！」
きゃーっと顔を覆いくねくねと身を攀じる。
そんな姿を見て自然と笑みが零れた。
気にしないようにと、やっぱり気を使ってくれてる。
「本当にありがとうね」
高「いつでも話、聞くかんな」
いつもはふざけて笑ってる高尾君。
今日は、いつもよりかっこよく瞳に映る。
私もこんな素敵な人になれたらなぁ。
高「な、帰ったら親に相談でもしてみたら？言ってないんだろ、その事」
「うん、言ってない」
ただでさえ、さつきに今日迷惑をかけた。
これ以上迷惑をかけることが怖い。
ぎゅ、と拳に力が入る。
高「大丈夫だって、きっといい方向に向かうからさ」
「…今日帰ったら、相談してみるね！」
そんな私の気持ちを察したのか、握った拳の上から手を握られた。
いつも通りの暖かい、優しい手だ。
高「おう」
「あっ、と…もうこんな時間だ」
一際大きく目立つ公園に設置された時計。
18時30分をまわろうとしていた。
愛の鐘が鳴った事にも気づかないとは…
どれだけ大泣きしたんだよ、と苦笑が零れる。
高「って、やべぇ！」
ほんの数秒。
何が可笑しいのか笑いあっていたが、高尾君の声に弾かれるように2人してダッシュで公園の外に向かう。
お互い家の方向は真逆だから、ここでお別れ。
「高尾君っ、本当にっありがとー！」
高「いいって事よーっまた明日なー！」
「うん、またねーっ！」
高尾君に全力で手を振り、お礼を叫ぶ。
ここから家までどれくらいだっけ？
確かめる術もないまま、全速力で坂を駆け上がった。
お母さん、話聞いてくれるといいな。
…何かが、変わるといいな。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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ひかフォッコ(プロフ) - 佐倉ちゃん！お帰り！(*´∇｀*)続編絶対見に行くから、頑張ってね♪ (2015年7月17日 9時) (携帯から) (
レス) id: 1b30af591a (このIDを非表示/違反報告)
Arisu - おかえりなさい^^遅くなりすみません(__)続編楽しみにしてますね^^ (2015年7月16日 16時) (レス) id: d40d2064b9 (このIDを非表示/違反報告)
みさぽん(プロフ) - すごく楽しみです！！頑張ってください！更新が待ち遠しいです！ (2015年7月15日 7時) (レス) id: 6026f3d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
奏 蓮華(プロフ) - 続編おめでとうございます！！楽しみにしています！更新頑張って下さい♪ (2015年7月15日 5時) (レス) id: 6dd694a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ(プロフ) - 続編もおもしろそう(´ｰ｀)楽しみにまってます！ (2015年7月14日 22時) (レス) id: 8238f4495b (このIDを非表示/違反報告)
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