第37話。過去編* ページ7
自分の息が切れた呼吸。
地面を蹴る音。
中身の揺れるランドセル。
高「おっ、Aちゃーん!」
「高尾君っ!」
放課後、ちょっと遠くの公園。
私の密かな楽しみの時間。
「ごめんね、待たせちゃった?」
高「いんやー、俺も今来たところ!」
そう言ってにかっと笑う。
この笑顔に沢山救われた。
やっぱり彼は優しい人だ。
初めて出会ったあの日から何日か経った。
高尾君の家にお邪魔したり、一緒に遠出したり。
私達には友達という名が関係についていた。
高「…あれ?」
「どうしたの?」
高「土ついてね、何かあった?」
「あ、えっと、なんでもないよ!」
ぱっぱと私についた土を払ってくれる。
私は反射的に後ろに下がった。
放課後、今朝に懲りず離れの校舎裏に呼び出されたのだ。
高尾君にまで迷惑はかけられないよな…
それに、彼には同情の目を向けられたくない。
高「嘘」
「わっ、」
高「目が泳いでるし、手のひら握りすぎ」
「ぅあっ、ち、近い!」
ぐっ、と高尾君の顔が近づく。
そ、そんなに身を乗り出して聞くこと?!
高「本当のこと話してくれるんなら、離れてもいーぜ?」
「う、話す、話すから…」
降参、とでも言うように両手を軽く上げた。
満足そうに彼は微笑み、1歩引いてくれた。
「実、はね…」
息を吐き、話し始める。
ゆっくりと説明が下手な私の話。
それを高尾君はしっかり真面目に聞いてくれた。
高「…そっかそっか!よし、とりあえず泣け!」
「えっ?」
てっきり同情されるかと思った。
泣くなよ、って言われるかと思った。
呆気に取られぽかんと口を開ける。
高「ほら、今めっちゃ辛そうな顔してるしさ」
「え、あ…」
高「なんなら、俺の胸貸してやんよ!」
どん、と胸を叩きむせている。
高尾君の言葉ひとつひとつが心に染みる。
いっぱいになったコップが、溢れるみたいだ。
「う、わぁぁぁん」
高「よしよーし、泣け泣けーっ!思いっきり泣けー!」
高尾君は抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。
からからと笑いながらぎゅっとしてくれた。
重たく受け止めてないように、気を使ってくれたのだろう。
それが凄く有難かった。
慣れた。
くだらない。
そんな事言ったけど、ただの強がりだ。
友達だと思っていた人達に裏切られて…
平気だと胸を張れるほど、私は強くない。
今は高尾君の言葉に甘える。
全部、全部。
…吐き出そう。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ひかフォッコ(プロフ) - 佐倉ちゃん!お帰り!(*´∇`*)続編絶対見に行くから、頑張ってね♪ (2015年7月17日 9時) (携帯から) (レス) id: 1b30af591a (このIDを非表示/違反報告)
Arisu - おかえりなさい^^遅くなりすみません(__)続編楽しみにしてますね^^ (2015年7月16日 16時) (レス) id: d40d2064b9 (このIDを非表示/違反報告)
みさぽん(プロフ) - すごく楽しみです!!頑張ってください!更新が待ち遠しいです! (2015年7月15日 7時) (レス) id: 6026f3d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
奏 蓮華(プロフ) - 続編おめでとうございます!!楽しみにしています!更新頑張って下さい♪ (2015年7月15日 5時) (レス) id: 6dd694a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ(プロフ) - 続編もおもしろそう(´ー`)楽しみにまってます! (2015年7月14日 22時) (レス) id: 8238f4495b (このIDを非表示/違反報告)
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