必要ない、いらない奴？そんなこと言わないでください。Part2【黒バス】

第34話。過去編* ページ4

高「…？」

「えっと、私は桃井A…です」


ぽけっと笑顔が眩しい彼に魅入ってしまった。

小首を傾げられたので慌てて自己紹介をする。


高「Aちゃんね、よろしく！」

「う、うん」


ぎゅっと握手を交わした。

…暖かい、優しい手だなぁ。


高「そういやどったの？」

「えっ」

高「いや、なんか泣いてたみたいだったからさ」


ぎゅっと口を結ぶ。

顔を伏せる、沈黙。

どうしよう…

折角声をかけてくれたのに。


高「なーに、無理に話さなくてもいいからさ！」

「あっ」


派手な金属音を立てて隣のブランコへ腰掛ける彼。

とんっと優しく背中を叩かれた。

やっぱり、笑顔が眩しい。


「高尾君はなんで、私に声を…？」


何か、会話を。

振り絞った話題はそんなものしかなかった。

それでも。

一瞬驚いたように瞬きをし、また笑いかけてくれた。


高「俺、塾の帰りでさ！ここ帰路なんだけど、何か泣き声がすんなって思ったんだ」

「う、ごめんね」

高「いーや、気になって見に来たら可愛い女の子だったから！尚更放っておけねーよな」


にっと冗談っぽく笑う。

顔だけじゃなく性格までイケメンとは…


「…ありがとう」

高「いいって事よー！」


きぃ、と彼がブランコを漕ぎ出す。

私もそれを真似て床をけりブランコを揺らす。


高「あ、俺小四なんだけどさ！Aちゃんは？」

「小学四年生だよ」

高「え、同い年？！俺、背が小さいからてっきり…」

「…」

高「痛っ」


ブランコがすれ違う一瞬、べしっと彼の頭を叩く。

なんて失礼な人なんだ。

…まぁ冗談で。

彼と居るとなんだか楽しい。

気が、楽だ。


他愛のない雑談をしながらブランコを漕ぐ。

笑いが、零れる。

どれくらい経っただろう？

楽しい時間の終わりを告げる愛の鐘がなった。


「あ、門限」

高「おっ、俺も帰んないとだ」


きぃ、軋む音を立て足の裏でブランコを止める。

彼は飛び降り軽い着地音を立てた。

なんだか、寂しいな。


「あのっ」

高「あのさ」


二人して同タイミング。

また、笑いが零れた。


「ふふっ、先どうぞ？」

高「えー、じゃあお先！な、明日もここで話さね？」

「えっ、私も同じ事言おうとしてた…」

高「まじ？！うわもうこんな時間じゃん、またな！」

「うん、また明日！」


ばいばい、約束を交わし別れる。

道が正直不安だがまぁなんとなるだろう。


「またな、か」


緩む頬を掌で覆う。

明日、楽しみだなぁ。

第35話。過去編*→←第33話。過去編*

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す