必要ない、いらない奴？そんなこと言わないでください。Part2【黒バス】

第33話。過去編* ページ3

『さつきちゃんと比べて、Aちゃんってさ』

『桃井は、さつきだけで充分だよ〜』

『さつきと違って使えなーい、必要ないんじゃね？』


やめて。

そんなこと、言わないで。

さつきと、比べないで。

そんなの…私が一番わかってるからっ！


『あははっ、』


クラスメートの嗤い声が頭に反響する。

この場に居ないことはわかってる。


それでも、ずっと頭に残る。


さっき投げられた罵倒。

…言われていなかったであろう事まで。

脳内、ぐっちゃぐちゃだ。


「うっ、」


ぎゅ、とブランコに腰掛けたまま耳を塞ぎ蹲る。

やだ、やだ。

…怖い。


？「…おーい、おーい」


頭上から声が降って来た。

…呼ばれてる？

とんとん、肩を叩かれた。


「っ？！」

？「うわぁっ！」


慌てて顔をあげれば、驚いた顔の男の子。

…顔、近。

反射的に数歩下がった彼の後ろを見る。


橙。


…日没間近。

こんな時間まで居たんだ。


？「お、おーい、大丈夫？」


ひらり、目の前で手のひらを振られる。

瞬きをしピントを彼に戻す。

笑顔が眩しい、触覚が特徴的な男の子。


高「俺、高尾和成！」


夕焼けをバックに、にかっと笑う。

どうらやら彼は高尾くんと言うらしい。

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