必要ない、いらない奴？そんなこと言わないでください。Part2【黒バス】

第45話。* ページ15

「それが、私の望み」


言い放った言葉は、部屋に重く響く。

ゆっくり深呼吸をし周りを見渡したり

なんだか、スッキリしたな。

ただ問題はここから、なんですけどね。


黄「…ッス」


俯き、沈黙の中声を発したのは黄瀬君だった。

なに？

別に怒らないよ、私そんなに怖い？

言いたい事があるなら、遠慮なく言ってくれていいのに。

否定でも、拒絶でもなんでも。

今なら受け止められる自信があるよ。


黄「い、今までスンマセンした、Aっち！」

「…は？」


え、今なんて言った？

予想の斜め上すぎて間抜けな声が口端から漏れる。

てか、Aっちって何…？


「…っち？」

赤「黄瀬は、尊敬する人にその様な渾名を付けるんだよ」

「はぁ…」


ご丁寧に説明をくれた。

ちょっとよくわからないです。

理解半分、謎半分のまま適当に応答する。


赤「…あと、俺からもすまない」

「え…」

赤「人に、対する態度として相応しくなかった」


まだまだ、俺も子供だな。

なんて言って笑う。

…何、急に？

二人が謝った後、続くように彼らが謝罪を述べる。


「いや、なんで急に？」

緑「…元々、桃井ほど早い訳では無いが桃井も仕事はきちんとこなしていたのだよ。…蔑ろにしてすまなかった」

「私たちどっちも桃井だよ緑間君」

紫「なんか大人びててちょっと気持ち悪かったんだよね〜、でもAちんの言葉聞いてなんか納得。普通の子だもん、意地張ってごめんね」


私が、歩み寄らなかったせいもあったんだ。

勝手に壁を作って干渉を許さなかった。

この行動に、意味はあったのかな。


灰「よかったな、A」

黒「よかったですね、Aさん」


ぱちり、目が合えば2人して微笑む。

うん、うん。


桃「Aーっ！」

青「おい、さつき泣くの早ぇよ！」

桃「そういう大ちゃんも泣いてるじゃん！」


昨日まであんなに私を邪魔物扱いして…

嫌悪して、遠ざけて。

ごめんで済むなら、警察はいらないんだよ。


なんて心の中で悪態をつく。

叶うならば思いっきり殴り飛ばしたい。

それだけじゃ足りないから、苺も奢って貰わなきゃ。

でも、何故だろう。


「別に、気にしてないですっ」


別に、いいかって。

もう、どうでもいいかって。


「もうっ、もう、その言葉だけで、充分ですっ」


涙が溢れてくる。

これは、暖かい何か。


「ありがとう、ございますっ！」


悲しい涙じゃなくて。

…嬉しい、涙なんだと思う。

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