必要ない、いらない奴？そんなこと言わないでください。Part2【黒バス】

第41話。過去編* ページ11

「だ、大輝ぃぃ」

青「うぉ、ちょ、待て待て」


知ってる顔ぶれに涙腺はもうぐっちゃぐちゃだ。

周りなんか見える訳もなく、この季節には似合わないタンクトップ。

その見慣れたタンクトップを握る。


青「…わり、今日マジバ寄れねぇわ」

『おう、じゃあまた明日な！』


もう一人の声に顔を上げた。

肩脇に抱えるバスケットボール。

そして、少し遠くに自転車を走らせる彼の友人であろう男の子。


「ご、ごめん私…」

青「いや、それよりAの方が一大事だろ？」


話、聞くぞ。

不器用に手を引かれ歩き出す。

大輝にも彼にも申し訳ないことをしてしまった。

今はその優しさに浸ることにした。


私が家を飛び出してからそれほど経っておらず、大輝の家まではすぐだった。

彼は律儀に靴を丁寧に揃え、電気をつける。


青「今日、かーちゃん帰り遅いからな！」

「お、お邪魔します」


私も靴を揃え、そっと端に寄せた。

玄関の電気を慣れた手つきで消す。

そしてそっと大輝を追い、階段を上る。


青「好きな所に座れよ」

「ありがとう」


割と片付いてる大輝の部屋。

何度も何度もお邪魔したこの空間。

最近はあまり会う機会も少なかったから、なんだか久しぶりだ。


青「それで、何があったんだ？」

「あ、えっと…」

青「ゆっくりでいいからさ」


しどろもどろ。

自分から頼っておいて情けない。

何をどう…伝えたらいいんだろう？


ふよふよ行き場のない手。

大輝が握ってくれた。


「わ、私ね」


それから、これまでの事をゆっくりと語りだした。

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