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そしてカイトはヤンデレに挑戦しようとする(ヤンデレ要素ほぼ0) 4 ページ44

さすがにそろそろ帰らなければマスターが心配するだろう。

……いや、心配なんてしてくれているのか?

 扱いにくいし、家が狭くなるし、アイス代かさむし、だとか思ってるんじゃないだろうか。現にマスターは、僕にはやけに冷たい。小屋をつくってるらしいし。

 もし、本当に僕なんていらないなんて思っていたなら……

 家のドアの前で躊躇する。

「あら、カイトさんじゃないですか」
「ゆかりさん?」
「もう、寒いですよ。きっとあなたのマスターもお待ちです」

 通りかかっただけの彼女は、僕の何を読みとったというのだろう?

「では、私は失礼いたしますわ」

 上品な会釈をして、彼女は隣のドアへと入っていく。それを見送った僕は、ドアノブに手をかける。いつもならここにいれば、もっとわちゃわちゃとした声が聞こえるのに、今日はやけに静かだ。

 ドアを開けると、巨大クロゼットが立ちふさがっていた。

……そうか、僕なんて家にも入るなということか。

「カイトっ!」
「うわっ!?」

 突如開くクロゼットの扉が顔面に激突し、後ろに倒れる僕の頭に今度は家のドアがぶつかる。僕の脳細胞の何割が死んだんだ? いや、僕はVOC@LOIDだが。

 ボフッ!

 痛みで状況が理解できない。目を開くと、その場に尻餅をついた僕の上に謎の格好のマスターが乗っている。

「寒いマフラー貸せ!」
「はい!?……うぎゃ」

 マスターは僕の上に乗ったまま、僕のマフラーを強引にはぎ取り、自らの首に巻き、長く残った分を羽織った。

「あの……マスター。色々と聞きたいんですがいいですか?」
「あっ! ちょ、なんだこの状況! なんで私カイトの上に乗ってんだ! それとカイトさっき大丈夫だった? 痛くない!?」

 あの、僕の方がなんだこの状況! って叫びたいのですが……

「あの、だからマスター、これはどういう……?」
「プレゼントだ」
「はい?」
「お前、自分の誕生日すら忘れたのか?」
「え!?」
「だから、おめでとう。このクロゼットは、カイト、お前に。わかりやすい色だろ? 結構頑張って塗ったんだ」

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あかり - 糸魚川翡翠@京都より帰還さん» 翡翠ちゃんは帯人が好きなんですよね? (2016年2月29日 19時) (レス) id: b06cf0ef99 (このIDを非表示/違反報告)
糸魚川翡翠@京都より帰還(プロフ) - あかりさん» ただいま! そうね、短編集の方ではあまり亜種は書かないからな。 (2016年2月29日 10時) (レス) id: 9384caea49 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 翡翠さん!おかえりなさい!やっぱりヤンデレカイトでしたか! (2016年2月28日 20時) (レス) id: b06cf0ef99 (このIDを非表示/違反報告)
糸魚川翡翠@京都より帰還(プロフ) - あかりさん» YESヤンデレカイト!! ラストの一言ってところがお気に入りです。 (2016年2月28日 11時) (レス) id: 9384caea49 (このIDを非表示/違反報告)
糸魚川翡翠@京都より帰還(プロフ) - あかりさん» 書いてる私のテンションも高かったりしますw (2016年2月28日 11時) (レス) id: 9384caea49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:糸魚川翡翠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisui0327/  
作成日時:2015年10月11日 10時

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