2691.【4】 ページ41
［智にぃside］
消「翔くん、
ここだけちょっと頑張ろう」
先「鼻で呼吸してごらん…」
翔「…っ、んっ…、おぇっ…」
先生達が声を掛けてくれているけど、苦しさに
パニック気味の翔はジタバタ。
背中をさすってるけど落ち着けず…
苦しさで取り乱してしまっているみたいで。
翔「…っ、おぇっ、んっ…んっ！」
先「大丈夫…落ち着いて」
消「頑張って飲み込んじゃおう」
先生がタイミングをみてカメラを入れてくれる。
翔「…っ、おぇっ…ん…おぇっ…」
消「力抜いてねー」
翔「…っん、おぇっ…ん…」
喉を通過する時が一番苦しいらしくて、
翔は手を出してしまい先生に抑えられ。笑
「こーら。笑」って叱られてる。
消「一番苦しいところ過ぎたからねー」
先「力抜いてごらん、もう大丈夫だから…」
翔「…っ、んっ、…っ…」
確かにさっきまでみたいに苦しそうではないけど、
生理的に流れた涙が頬を濡らしていて可哀想で…
持っていたタオルで拭いてあげる。
先「よかったね、智くんいてくれて」
翔「…」
さすがに答える余裕はないみたいだけど、
少しだけ頷いたのが分かって安心した。
消「鼻からゆっくり息吸ってごらん。
少しはラクになるよ」
翔「…っ、…ん…、…っ…」
先「上手、上手…」
「翔がんばれ…」
口からカメラを入れられてるワケだから、喉を
通過したとはいえ、苦しさは完全に消えるわけじゃ
ないから…
翔「…っ、…んっ…」
時折苦しそうな表情をする翔が、やっぱり
可哀想と思ってしまう…
消「…モニター見れる？」
先「…翔くん？」
翔「…っ…」
先生達に声を掛けられてゆっくりと目を開けた翔。
視線をモニターに移してじっと見てるから、
俺も一緒に。
大きな病気だったらどうしよう…って不安も
あったけど、結果は大丈夫だった。
消「数日は絶食して、薬で治そう」
「よかったね」
翔「…っ、ん…」
先「頑張ったね、翔くん」
苦しい思いをしたけど、心配事もなくなったし、
大きな病気でもなかったし、安心できるね。
休めるようにと用意された病室で翔と2人きり。
「頑張ったね」って頭を撫でたら「すごい
苦しかったから、もう二度とやらない」って
膨れっ面で言葉が返ってきて。笑
「ん、もうやりたくないね」
翔「…ん、やらない」
肯定してやったら満足そうな顔して、俺の手を
握ってくる可愛い奴。
恐がりさんな翔にしては、よく頑張ったと思うよ。
しっかり治そうね。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
