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［智にぃside］
翔はポツポツと
検査を拒んでいる理由を話してくれた。
『検査を受けて、もし何か病気が見つかったら…
と思うと怖い』
『病院のスタッフ含め、みんなに心配と迷惑を
掛けるのが嫌だ』
こんなところ。
最後まで『検査が苦しいから嫌だ』とは言わず、
強がってるけど。笑
翔は隠してるつもりなんだろうけど、痛がりだし
恐がりだし、ビビリだし。
そんなのとっくにみんなにバレてんのに。笑
「大きな病気かもしれなくて怖いの分かるけど、
放っておいたらもっと怖くない？」
翔「…ん」
「その分、迷惑だっていっぱい掛かるし」
翔「…ん」
「雅紀と双子たちも心配すると思うけど…」
翔「…ん」
理由を聞いた上で説得を続けていたら「分かった…
検査受ける」って言ってくれた。
渋々感はハンパないけれど。笑
「ちゃんと決断できてえらいね。ご褒美に
検査、付き添うね」
翔「…え、いいの？」
「もちろん」
先生から電話もらった時に言われたんだ。
『智くんが付き添うことも可能だから』って。
先生は、翔が恐がりさんなことよく分かって
くれてる。笑
「もう許可もらってるよ」って頭を撫でたら
すごく嬉しそうに笑って。
可愛い奴。
［翔にぃside］
とうとうきてしまった、検査の日…
前処置を終えて検査台に寝転んだら、もう
恐くって仕方ない。
だってもう逃げ道はない。
智にぃが背中をさすってくれるから、少しだけ
安心できるけど…
苦しいの嫌だな…恐いな…
心の声がうるさいくらい。
消「咥えられる？」
「…んん」
マウスピースを咥えるのが嫌でちょっと渋って
しまって。笑
そしたら「あれ？もしかして嫌がってんの？笑」
って聞き慣れた声。
先「ほら、応援してやるから。頑張りな？」
「先輩…」
消「よかったね、翔くん。さらに心強いね」
「…はい」
消「…どう？咥えられる？」
「…ん、はい」
マウスピースを咥えたらいよいよだ…
消「力抜いててね〜。入れていくよ〜？」
先「…翔くん？力抜いて…」
目の前に内視鏡が近付いてきたから、無意識で
体にすごい力が入っちゃって…
先輩に声を掛けてもらって気が付く。
目を閉じてゆっくり深呼吸したら、内視鏡が
入ってきた…
「…っ、おぇっ…」
消「喉通るからね〜…ちょっと苦しいよ〜…」
「…っ、おぇっ…んっ…」
待って…
…こんな苦しいの？
「…っ、おぇっ…んっ…おぇっ…」
先「翔くん、落ち着いて…大丈夫」
いやだ…
無理。
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
