2666.【2】 ページ16
［智にぃside］
なんかイライラしてて
翔に八つ当たりしちゃった。
反省…
別に4人で企んで、翔のことを追い詰めたりした
ワケじゃないんだけどね。
なんとなく、みんなもイライラしてたのか
4人 vs 翔みたいな空気ができてしまった…
次会ったら謝ろう、次こそ…って思うのに、
タイミングを逃して逃して。
今朝も謝ることが出来ないまま「いってらっ
しゃい」って送り出してしまった。
帰ってきたら、今日こそ謝ろう…
そう思っていたのに、夕方になって翔の先輩から
かかってきた電話。
「翔くんが階段から転落した」って。
リビングで勉強をしていた双子と共に、すぐに
病院に向かう。
話をした瞬間に和も潤も「謝ってないのに」って。
車の中でも「酷いこと言っちゃった」「翔にぃ
ショックだったよね、きっと…」って。
すごく落ち込んでる。
だから「俺も同じ気持ちだよ」「反省してる」って
伝えた。
「病院着いたら謝ろう？」
和潤「ん、謝る」
先生から怪我の程度は聞いていなかったけど、
酷くても、骨折くらいだろうと思っていた。
だから、まだ雅紀にも連絡はしていなくて。
それがすごく軽い考えだったって、病院に
到着してから知ることになった…
和「え…ここにいるの？」
潤「なんで…」
先生に案内されたのはICUのベッド。
そこには、酸素マスクを曇らせながら、意識なく
眠っている翔がいる。
「先生…」
先「頭を強く打ったみたいなんだ…
意識が戻るまでしばらく時間がかかるかも
しれない」
「そんな…」
それからも先生の話は続いた。
「最近、なんか悩んでいるみたいだった」
「階段から落ちた時も、何か深い考え事を
しているみたいだったと聞いた」
そんな話。
「すみません…俺のせいです…」
先「…どういうこと？」
先生に全てを話した。
後から来た雅紀も「翔にぃごめん…」って
翔の足元に縋り付いて沢山泣いて。
和「…っ、んっ…謝り、たい…」
潤「おれ、も…」
「…っ、ん…ごめ、ん…」
溢れてきた涙を止めることなんて出来なくて。
ベッドの周りで4人で泣いた。
先生が気を遣って、ベッド周りのカーテンを
閉めてくれて…
俺の背中をそっとさすってから、静かに
出ていった。
悩むほどに追い詰めていたなんて…
どうして早く謝らなかったんだろう。
4人 vs 翔にしたつもりなんてなかったけど、
そういう環境にしてしまったら、デリケートな
翔が傷付いてしまうことは分かってた。
謝りたい…
翔、お願い…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2982人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
